一 石 二 鳥 彼 氏 【坂田銀時】

一石二五鳥 ページ26

偽恋人が始まってから13日が経った。今日は休み。



「今日暇？」

銀「万事屋は秒単位スケジュールなんで忙しいです」

「暇ってことだね」

銀「どした？」

「松田に下着泥棒されすぎてパンツ無くなった」

銀「そりゃ一大事だな。」



ってな訳で盗られた下着やら洋服を買うために街に出てきた。

一通り買い物を終え、原付を停めた場所へ向かう。

私は片手に洋服やらが入った軽い紙袋を持っている。

銀さんは左手に洗剤やシャンプーなんかが入った重い買い物袋をもっていくれるのに、



銀「重ぇだろ。持つぜ。」



そう言って私が持っている袋を持とうとしてくれた。

袋をとる瞬間に一瞬だけ触れた手に拒絶反応が出てしまった。


「…！」


持っていた紙袋を落として、思わず彼から3歩ほど距離をとってしまう。



「あっごめんなさい。
ぼーっとしてたから驚いちゃって。
銀さんまで驚かしちゃいましたよね。」



彼は驚いた表情でこちらを見ている。

その顔に気付かないふりをして落とした荷物を拾う。

スルーして欲しいけど、きっと今の私はすごく不自然だと思う。



銀「A…お前 なんでまた敬語使ってんだよ。」

「うそ。敬語使っちゃってた？
…なんでかね〜うっかりしてた。」



気が付かなかった。
無意識のうちに心理的にも距離を取ろうとしてしまったのかもしれない。



「行こっか。」

銀「待てよ。」



足早に歩き出すけどそれは銀さんによって止められた。

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