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一石二十四鳥 ページ25

いつものように出勤して、働いて、0時になる。


今日はだいぶお酒を飲んでしまったせいでべろんべろん酔っ払ってしまい足元がふらつく。



「銀さぁん今日もありがとねぇ〜」

銀「おいおい…大丈夫か?」

「あ〜、ごめんっ。らいじょぶ〜。ヒック」

銀「大丈夫って…もうフラフラなってるじゃねぇか。」



そう言って彼は、私の身体を支えようと腕を伸ばしてきた。


「うわっ。っと。」


ふらつくふりをして、身体に触れられないように咄嗟に距離を開けてしまう。



「1人で歩けるから〜だいじょぶヨ〜。アハハ」

銀「おう…。そうかよ。」



わざと明るく何事もないように振る舞ったつもりだけど、ちょっと不審がられてしまったかも…。


その後彼が手を差し出してくることはなかった。

ふらついた拍子にぶつかることが無いように、少し距離をとって帰る。


なんとか家に着き、ガサゴソと鞄から鍵を探すけど酔っているためになかなか見つからない。



「あ〜〜鍵ない〜〜落とした〜〜。」

銀「ちゃんと鞄の中見たか?」

「も〜めんどくさいから落としたってことでいい〜外で寝る〜。」



立っていることすら億劫になってしまい、玄関扉にもたれかかってその場に座り込んだ。

そんな私に視線を合わせて銀さんはしゃがみ込み、顔を覗いてくる。



銀「なーに阿呆なこと言ってんだ。鞄見るぞ?」

「うん、いいよ〜。」



ぽいっと鞄を差し出すと、すまねぇな。と遠慮がちに私の鞄の中を探し始めている。

すると、ほんの数秒で ちゃりん と金属の音が聞こえてくる。



銀「ちゃんとあるじゃねぇか。この酔っ払い娘。」

「マジでか。おっかしいなぁ〜。」



彼は鍵を開けた後、鞄に鍵を戻して座り込んでいる私を見下ろした。



銀「立てるか?」

「立てるよ〜。ヘヘッ」




手を差し伸べてくれるけど、私はその手を掴むことはできない。
のそのそと壁にもたれ掛かりながらゆっくり立ち上がった。

いくら酔っ払っていても、男性に触れることは本能が拒否してしまう。




銀「……。酒は程々にしろよ。」



一瞬、間があった。

私が銀さんと触れるのを拒んでいることに、
気づかれてしまったのだろうか。



「うん、ありがとね。おやすみ〜。」



なんとなく気まづくて、返事も聞かずさっさと部屋の中に入る。
もうリビングまで行く気力もない。

彼の切なげな目に、気づかなかったふりをして深い眠りへつくのだった。

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氏兎(プロフ) - まゆゆんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(TT)頑張りますー!! (2022年9月24日 1時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです!!頑張ります(^-^) (2022年9月24日 1時) (レス) @page32 id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話大好きです!!!!!!更新頑張ってください!応援しています🥰 (2022年9月20日 18時) (レス) @page31 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 面白い!!更新頑張って下さいね!!!!!!! (2022年9月19日 20時) (レス) @page31 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!もっと楽しんで貰えるように更新頑張ります(^-^) (2022年9月10日 17時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氏兎 | 作成日時:2022年7月25日 0時

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