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「よく私を寮に連れて行く気になったわね」
横に並ぶ彼にAは尋ねた。やけに狭い歩幅はAに合わせているからだろう。
「言ったろう？せっかくのクリスマスなんだ、楽しまなきゃもったいない！」
「そうかもしれないけど、そうじゃなくて」
Aは立ち止まり、ひと呼吸置いて、続けた。
「私はあなたからしたら………友達の知り合い、じゃない」
「死喰い人の娘なのに」と言いかけたが、やめた。もうとっくに彼は知っているだろうから。
彼は一瞬キョトンとして、すぐにブッと吹き出した。
「ハリーは友達じゃないのか？」
「どうかしら」
「十分友達だろ！僕にはすごい仲良しに見えるな____薄々気づいてたけど、Aって友達全然いないだろ！」
その言葉にAはムスッとしたが、その通りだったので言い返すこともできなかった。
「あなたはいいわね、さぞかしたくさんのお友達がいるんでしょう？」
「当たり前さ！リーにアンジェリーナにアリシア____それからAも」
バチッとウィンクをしながら彼は言った。面と向かって友達だと言われたのはこれが初めてだった。
「もうこの話はやめよ。何か面白いことないの？」
「急だなあ、無茶言うぜまったく」
「あら、できないの？」
Aの耳は真っ赤だった。
Aはその気持ちを誤魔化すために、話題を逸した。このままだと嬉しさと恥ずかしさで爆発しそうだった。優しさを真正面から受け取ることに、Aは慣れていない。
「じゃあ、A、こっちを見て」
彼は自分の親指摘んだ。そしてその親指はなんと、彼が引っ張るとポロリと取れてしまった。
突然の出来事にAは「わぁ」と声を漏らした。
「それ何？魔法？」
「いいや、手品さ！マグルの道具だ」
「全然気づかなかった。面白いもの持ってるのね」
それから彼は、歩きながらいろいろな手品を見せてくれた。夜の廊下にはAの小さな笑い声が木霊していた。
「もうここまででいいわ」
「オーケー、またいつでも来いよ」
「そうね、いつか」
背を向け寮へと向かおうとしたが、Aは「そうだ」と振り返り彼に目をやった。
「わざわざ送ってくれてありがとう____フレッド・ウィーズリー？」
彼____フレッド____はAの言葉に大きく目を見開いて笑った。
「僕がフレッドだって言ってたっけ？」
「ただの勘よ、ずっとフレッドのつもりで話してたから当たってよかった」
Aはフレッドの瞳を真顔で見つめた。
「こういうときはきっとあなたなんだろうなと思っただけ。だって、なんだかいつもあなたとばかり話してる気がするもの____じゃあ、おやすみなさい」
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yuu(プロフ) - ハリーオチも見てみたいって思ってしまいます🥺 (1月28日 21時) (
レス) @page18 id: 2fc2dde4c4 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - さくらねこさん» コメントありがとうございます！更新を楽しみにしてくださる方がいるとわかって、すごくやる気が湧いてきました！こちらこそ、今後もぜひよろしくお願いします！❤︎ (2023年3月11日 21時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
さくらねこ(プロフ) - 最近は、この作品が投稿されるのが待ち遠しい日々です。更新楽しみにしています！ (2023年3月11日 19時) (レス) id: 3e43640b9a (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - ちぢぶさん» コメントありがとうございます！自分で書いていてわかりにくくないか不安だったのでそう言っていただけてすごく嬉しいです！✧私も主人公ちゃんの性格大好きなのでもっとたくさん魅力を引き出せていけたらなと思います！こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月8日 15時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - コメント失礼します！情景がすっと思い浮かんでくるような描写の仕方やキャラ達の個性が引き立つセリフの言い回しがとっても好きです...！主人公ちゃんのキャラクターも素敵で、キャラ同士の絡みも読んでてワクワクしました...！これからも応援しています！ (2023年3月7日 17時) (レス) @page27 id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年2月21日 12時
