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Aの教科書がなくなった。
図書館で宿題を進めている途中、本を探しに席を立ち戻ってみると、机に置いておいた教科書が忽然と消えていた。
羽ペンがなくなることは今まで何度かあったが____すべてぽっきり折られた状態でAのもとに返却された____教科書は初めてだった。
教科書がなければ課題は進められないし、今後にも支障がでるので仕方なく探すことにした。
嫌なクスクス笑いは、もう聞き慣れた。
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みんながとっくに夕食を食べに大広間に移動しきり、誰もいない静まり返った廊下に「あはははは」と薄気味悪く笑い声が響いていた。その声の出処は一階の女子トイレだった。
不気味に思い扉を開け中を除くと、一人の幽霊がいた。
そしてそのゴーストの足下にはAの教科書があった。
「なによ、あんたもここに何か用？」
「その教科書、私のなの」
そう言うとゴーストはせせら笑った。
「さっき来た子達、『こんなところに誰も来るはずがない、だってここには、あの暗くてクヨクヨしてて辛気臭い、オマケに怒りっぽいマートルがいるんだから！』なんて言うの！そうよ、どーせ私のことなんて誰も____だから大声を出してちょっと驚かしてやったら、すごい顔して逃げていったわ！これを落として！今にもちびっちゃいそうな勢いで！トイレはここよ！おっかしー！」
これじゃあ、たしかに誰も近づきたがらないな と思いながら、Aはゴースト____マートル____のもとへ行き、教科書を拾い上げた。
教科書はずぶ濡れで文字も滲んでおり解読が難しかった。乾くまではまともに使い物にならない。
「そんな教科書じゃあ笑われちゃうわよ____ああ、とーっくにあんた、笑い者にされてるんだったわね！」
マートルは随分楽しそうにAを見て笑い声を上げた。
きっとマートルは、Aのような人間を見るのが好きなのだろうと、なんとなくAは思った。
教科書をパラパラと捲るAの周りをグルグル回りながら、マートルは「怒ったりしないんだ」と呟いた。
「あんた、仕返ししてやろうとか思わないわけ？」
「もう、そういうのはいい」
「ふうん？」
Aはポツリと答えた。マートルはただニタニタと笑うだけだった。
「____私は、マートルからみたらそんなに面白いのね」
目頭が熱くなるのをAは感じた。
「そりゃあそうよ！あんた、すーっごく惨めだもの！」
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yuu(プロフ) - ハリーオチも見てみたいって思ってしまいます🥺 (1月28日 21時) (
レス) @page18 id: 2fc2dde4c4 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - さくらねこさん» コメントありがとうございます！更新を楽しみにしてくださる方がいるとわかって、すごくやる気が湧いてきました！こちらこそ、今後もぜひよろしくお願いします！❤︎ (2023年3月11日 21時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
さくらねこ(プロフ) - 最近は、この作品が投稿されるのが待ち遠しい日々です。更新楽しみにしています！ (2023年3月11日 19時) (レス) id: 3e43640b9a (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - ちぢぶさん» コメントありがとうございます！自分で書いていてわかりにくくないか不安だったのでそう言っていただけてすごく嬉しいです！✧私も主人公ちゃんの性格大好きなのでもっとたくさん魅力を引き出せていけたらなと思います！こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月8日 15時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - コメント失礼します！情景がすっと思い浮かんでくるような描写の仕方やキャラ達の個性が引き立つセリフの言い回しがとっても好きです...！主人公ちゃんのキャラクターも素敵で、キャラ同士の絡みも読んでてワクワクしました...！これからも応援しています！ (2023年3月7日 17時) (レス) @page27 id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年2月21日 12時
