【ヒプマイ】アシスタントデザイナーの彼女は１【飴村乱数】

アシスタント３ ページ3

『子供じゃん！！』


目の前で失礼なことを口走るオネーさんを前に、ボクは面接の時のことを思い出していた。

あれはボクが、そろそろ面接ってものに飽き掛けてきた時。



　 ✦



気まぐれに求人出したけど……なんかパっとしないな〜。

ボク目的のオネーさんと、モテたいオニーさんばっかり。

まぁ前者は嬉しいからいいけどね！


『あ、失礼します』


わぁ、またオネーさんだ。

なんか挙動不審気味だけど、どんな人かな？


ええっと……名前は北条A。

年齢は21。

埼玉美術高校卒業。

渋谷デザイン大学卒業……？


ふ〜ん。

一応経歴があるオネーさんなんだ。


「やあやあオネーさん。座って座って？ゆーっくりくつろいでいいよ！」

『は、はい！』


あっはは、緊張して顔下がってる。

それじゃあ印象悪くなるって知らないのかな？


「まずは、求人のことはどこで知ったのかな？」

『風に、飛ばされて？』


……ん？


『あの、私とにかく雇ってもらいたくて！こんな、事務所でも……じゃなかった！あのええと、こ、個人で活動されてるって話みたいですけど、私頑張るつもりなので！気持ちだけはあるんです！』


今こんな事務所って言わなかった？

もしかしてボクの服のこと知らないの？


「オネーさんは、ボク目的に来たんじゃないの？」


こんな質問、して来なかったけど思わず聞いちゃった。


そこで初めてオネーさんは顔を上げて、ボクを見る。


『え？何でですか……？というかあれ！？こ、ども？』


もしかしてイタズラ！？なんて騒ぎ出すオネーさんを前に、胸が疼いたんだよね！


このオネーさん、どうしてやろっかなぁって♡

アシスタント４→←アシスタント２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す