【ヒプマイ】アシスタントデザイナーの彼女は１【飴村乱数】

アシスタント２３ ページ25

話し掛けちゃったけどこれどうしよう。

お金無くなったってことだよね？スって。


『じゃあ、あの……家に帰った方が』

「はぁ？帰る所なんかねぇよ。野宿……か、ダチに泊めてもらうかだな」


典型的な駄目人間じゃん！


今どき家が無いってある？

実家くらいはあるでしょ。


……いや、でも。何かワケありなのかな。


『良かったら私の家来ます？』

「…………は？」


え、何でそんなタバコ落とすほど動揺してるの？


『だって野宿するつもりなんだよね？お腹空かない？』

「え。いや。空くけど」

『私も話し掛けた以上放っておきづらいから。嫌だったら良いけど』


そこまで言うと、男の人は一度考えて賽子を取り出した。


「じゃあ、この賽の目が奇数だったら行く」

『お、おう……？』


パッパッパと決めていい所なんだけどな。

良い人か分からないから……運命に従う、とか？


……後のことは、運命の神様に……ね。


私がこの人を連れ込むことも、何か運命が変わるきっかけになったりするのかな。


「お、奇数だった。つーわけで、世話んなるわ」


……なんて。

そんなはずないか。


『うん。良いよー。ところで、あなたの名前は？』

「あぁ名前な。俺は有栖川。有栖川帝統だ」

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