【ヒプマイ】アシスタントデザイナーの彼女は１【飴村乱数】

アシスタント２２ ページ24

ヨヨギ公園のベンチに座った。


飴村乱数。

あの人が認めてる男の人。

中王区の人たちのほとんどは、男が嫌いか舐め腐ってるのに。


見た目が……可愛いから？

うーん。

桃色の髪に水色の瞳。

キュートな感じではあるけど、ちゃんと男の人の香りしたしなぁ。


それにタバコ……ん？


タバコの匂いだ。

誰かいるのかな。


立ち上がって周囲を見渡すと、ほんの少し行った先に男の人が見えた。

あの人何でラジカセ背負ってるんだろ。


それに何か凹んでる？


ちょうどいいかも。

誰か一般人と話したい気分だったし。


『あの、すみません』

「……あ？えーと、俺？」

『ですです。こんな所で何してるんですか？困ってるように、見えますけど』


そう聞くと、微妙そうな顔をされる。


あれ、聞いたらいけないことだったかな。

でも初対面の人に、いきなり話し掛けられたら戸惑うか。


『私、北条Aです。今、誰かと話したい気分で……良かったらで良いんですけど』

「あぁ。いや、大したことねぇっつーか。金が……」


かね？

お金？


『え、もしかして財布落としたとか……？』

「いや落としたんじゃなくて、スった」


ス？


『スるって……？』

「あれ、しんねぇの。ギャンブルだよ」


ギャンブル、お金、スる……。

凹む。


ってそれ自業自得なやつじゃん……！


しかも全然普通じゃない。

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