アシスタント16 ページ16
「確かに俺は弟のために戦ってた……けど」
『けど?』
「……いや。悪い。これは、まだ誰かに話せることじゃないんだ」
外の世界のことを私は詳しく知らない。
詮索して来なかった。
それがあの人の願いでもあったから。
でも、今は少しだけ……。
『ねぇ一郎くん、教えてもらいたいことがあるんだ』
「?なんだ、弟たちのことか?それならすぐ近くに家が」
『飴村乱数について』
どんな反応を示す?
顔を覗き込んでみたけど、一郎くんの表情は思っていたよりも単純なものだった。
キョトンと「乱数?」と聞き返されてしまうぐらい。
『一郎くんは、乱数さんと仲間だったんだよね?』
「あぁそうだけど……あれか?アンタは、乱数のオネーさんなのか?」
『オネーさん?』
それには今度こっちが首を傾げしまった。
なんだろう乱数のオネーさんって。
乱数さん、姉の募集でもしてるのかな?
あ、でも出会い頭に乱数さんにはオネーさんって呼ばれてたっけ?
『えっと、乱数さんはただの仕事仲間なんだけど』
「あぁ……で、乱数について何を知りたいんだ?」
『うん、それがね』
何となく、一拍置いて。
ほんの少し顔を隠して、恐る恐る聞いた。
『乱数さんって、実は女の人だったりする……?』
一郎くんが言葉の意味を理解するまで、約三秒を要した。
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黒羽ひみと(プロフ) - アスカさん» 本当ですね汗。教えていただきありがとうございます!直しておきます。 (2019年10月5日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - すみません。27話から一気に30話になってますよ。 (2019年10月5日 0時) (レス) id: 1b47d3033b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2019年8月16日 9時