脇目も振らない話 (ページ24)

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好きな人の好きな人 1 ページ24

シ「なぁ、Aって好きな奴いるのか？」
貴方「へ？」

いつもの学校からの帰り道
普段恋愛系の話なんて全くしないシンタローからの意外な質問に驚く

貴方「突然どうしたの。何、好きな人でもできた？」
シ「別に。なんとなく気になっただけ」

なんとなく、ね
何か理由がなきゃそんな話題振らないと思うけどな、と思うも言葉を飲み込む

貴方「好きな人ね…うん。いるよ」
シ「え？は！？」

私の回答が以外だったのか、二度見された
そんなに以外？私に好きな人がいるの

シ「だ、誰だよ」
貴方「それは言えないよ、秘密」
シ「ヒントぐらいいいだろ！」

顔の前で手を合わせ、頭を下げる
そんなに懇願しなくても
ちょっと引くんだけど

貴方「えぇ〜どうしようかな〜」

なんて言ってちょっと焦らしてみる
このもどかしさが少し心地いい

貴方「逆に聞くけどシンタローはいないの？好きな人」
シ「え」

まさか自分が聞かれるとは思わなかったのか目を見開く。その後すぐ目を逸らした
その姿を見て私は確信

貴方「いるんだ」
シ「悪いかよ！？」

顔が真っ赤に染まっていくのを見て思わず笑ってしまった

貴方「顔真っ赤！」
シ「うるせぇ！！」

顔を手で覆い隠しているが、耳まで真っ赤なのでバレバレだ
可愛いなぁ…と思いつつ口には出さない

貴方「シンタローも教えてくれるんだったらヒントぐらい教えてあげてもいいよ」
シ「うっ」

苦虫を噛み潰したような顔をすること数十秒
『分かった』とだけ一言

貴方「約束だよ？ヒントは私より身長が高い人」
シ「いや、それほとんどの人じゃねぇか！」

鋭いツッコミ頂きました

貴方「えぇ〜だって分かっちゃったら嫌だもん
だからわざと絞り込めないようにしてるの！」
シ「もう少しねぇのかよ、ヒント」

もう少し、ね
何にしようかなぁ…と少し考える

貴方｢そうだなぁ…私と話した事がある人」
シ「いや、もっと、ほら特徴とかねぇの？」

貴方「最後のヒントは〜幼稚園から今までで1回でも私と同じクラスになった事がある人」
シ「オレの話無視ですか」

特徴なんて言える訳ないじゃんか
知られたくないのだから

貴方「私は教えたから次はシンタローね！」

自分で聞いておいてあれだけど
聞きたくない
知りたくない
でも、気になる
そんな感情がグルグルと私を掻き回す

シ「オレより身長が低い」
貴方「おい。待て」
シ「オレと学校以外でも話した事がある」
貴方「待て待て待て」

それほぼ私のパクリじゃん
何平然とパクってんの