【カゲプロ】訳ありの超健全少女はメカクシ団No11になりました。

127話「笑顔でいられる時間は、かけがえのないモノなんだ。」 ページ30

奈緒「あははっ」

でも、素直に笑えるっていうのはいいことだね。


A「ヒナさん楽しそう。」

クロア「いや、アンタこそ人生に楽しみなんてあるの？」

クロアよ、えぐいとこ突いちゃダメでしょ。

でもレイちゃんは、何も言わず微笑んだ。

……なんでかな？

A「私は、仲間と家族と一緒にいられるだけで楽しいから……この時間が一番幸せですからね。」

あぁ、そうか。

レイちゃんの日記、メカクシ団に会った日のだけ字が凄く綺麗だった。

よっぽど嬉しくて幸せだったんだね。

気持ちがわかるなぁ。

レイちゃんは、みんなに嫌なこと言われて傷付いて、でも独りぼっちは寂しい……それを当たり前と思っていないんだ。

仲間といられるだけでいいって思ってるから。

………好かれるはずだよね。


ボクも、そんな風になれたらサツキをもっと大切と思えるかな？


……違うよね。この気持ちだけでもサツキは、あっちの世界で笑っててくれるよね？

電脳世界とデンノウデイズは違う。でも、繋がってる。

同じように、仲間一人一人に差があるからこそ、気持ちを共有できるような、繋がってる家族になれるんだよね。


A「私の【目に留まる】能力は、人や物の情報を全て読み取る能力……でも、メカクシ団の皆さんには使ってません。だって、使わなくても分かるじゃないですか？」

それからレイちゃんは、ボクに向き直って言った。

A「……皆さんは、とても良い人だって。」

奈緒「うん、そうだね。ボクだって、レイちゃんと会った時思ったよ。…でもそれはさ、能力を使わなくてもっていうより、能力が無くてもわかることじゃないかな。」

ボクが言うと、レイちゃんはふっと目を閉じて、一言一言区切るように呟いた。

A「そう、だからこそ私は…こんな日々が終わるように…能力がなくてもいいような、平凡な日が迎えられるように、祈ってます…。」


レイちゃんは、たった11年の人生で、壮絶っていうかそんな毎日を送ってきたんだな。

それは皆そうだね。

何かしら訳ありな、

でも幸せな毎日に

愛してる人がいてさ。


それって良いよね。

サツキ、わかる？

ボク今さ、

すっごい大切なことを見てる気がするよ。

128話「しまった。ボク、日本食を食べたことがないんだったぁ！！」→←126話「知らなかったよ、時間が長いってこと。」

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