DATE17 ページ18
ケイジ
「開いたねー」
箱はいとも簡単に開き、ケイジさんが中身を確認する。
彼の身長が高いせいで箱も高い位置にあり、離れた場所からは中身は確認出来なかった。
サラ
「何が入ってますか?」
ケイジ
「あー…見ない方が良いかも…」
ストレートな物言いのケイジさんが、珍しく言葉を濁す。
もしかして、トクの予想は外れて本当に爆弾だったりしたのだろうか。
サラさんはケイジさんの忠告より先に、箱を下へと下げて中身を見てしまった。
当然、視線が箱に向いていた私や、他の人にも中身が見える。
そこには__
サラ
「うわあ!!」
ナオ
「いやああああ!!」
ジョー
「ま…マジかよ…!?」
Qタロウ
「……っ」
A
「なああぁぁ!?」
人の、頭部が入っていた。
頭部は茶髪の女性であり、目は固く閉ざされている。
危険物ではないが、精神的によろしくない。
私は無様に叫び声をあげ、腰を抜かす。
ソウ
「待って…それ人形じゃない?」
ジョー
「えっ…!?」
ケイジ
「あ、本当だ」
A
「よ、良かったです…」
どうやら本物ではなかったらしい。
しかし、人形というにはあまりにもリアル過ぎて、まだ見間違えてしまいそうな程だった。
力が上手く入らずに座り込んだままでいると、トクとレコさんがかけよってきて手を貸してくれた。
レコさんに丁重に礼をいれると、「お前は女なんだから、あんま無理すんなよ?」と言われ頭を撫でられた。
ケイジ
「ん…?これは、手紙?」
箱の中を覗いていたケイジさんが、一枚の紙を見つけそれを読み上げる。
-カラダを見つけて
ワタシを帰して
テも、アシも、ないから-
ケイジ
「身体を見つけて…?」
カイ
「身体が…どこかにあるのでしょうか」
不思議な文章に、首を捻り解釈を考える。
これは恐らく、この頭の人形から…という設定だろう。
身体、手足を見つけ出して組み合わせろ…ということだろうか。
しかし、頭がこれほど実物に似ているとなってくると、手足を見つける時も同じ思いをしなければならないかもしれない。
少し、憂鬱だ。
ギン
「見つける必要なんかあるのかニャン?こんなの罠だワン」
トク
「確かに、犬猫の言うとおりかもねー…いきなりって訳じゃないから集めたらドッカーンとかありそう」
ギン
「犬猫って呼ぶなニャン!」
ギンさんの言うことも分かる。
なんせ、この通りにすれば帰れるなど、どこにも書いてはいないのだから。
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