DATE13 ページ14
カンナ
「えっと……私、中学生です…それから…ええっと…」
サラ
「ゆっくりで大丈夫だ」
少しずつ、カンナさんの紡ぐ言葉が文章になってきた。
サラさんはカンナさんの背中に手を回し擦っている。
彼女の凛々しい面は見てきたが、優しい側面も見ていると、何でもできるヒロインのようだと思った。
カンナ
「お姉ちゃんと…学校の帰りに…アイス食べて…夕飯食べれるかなぁ…なんて話…しながら…歩いてただけ…なんです…突然…道路に停めてあった黒い車から…怖い人達が…」
サラ
「そうか…怖い目に遭ったな…」
どうやら、彼女には実際にも姉がいたようだ。
しかし、この話にはおかしな点がある。
今の口振りだと、姉と一緒にいた筈なのだ。
しかし、周りを見ても、カンナさんの姉と思わしき人物など見当たらない。
そこで思い出されるのが、ここへ来る前の最初の試練。
サラさんとジョーさんのペアも、ミシマさんとナオさんのペアも、私とトクのペアも、最初の試練は命をかけた脱出ゲームを模したものだった。
＿＿もし、今私が考えていることが正しければ。
サラさんにもわかったらしく、(+_+)を険しくさせ必死に次の言葉を探している。
サラ
「……ここへ来てからの事を話してくれるか？」
カンナ
「…ここ？ここ…来てから…」
そこで言葉が止まる。
元々白い彼女の顔が、更に青白く染まる。
体を強ばらせ、震えは大きくなる。
開かれた口からは、悲鳴が聞こえた。
そうして、カンナさんは聞くのも心苦しい言葉を言いながら、やがて気を失った。
＿＿＿
レコ
「サラ、カンナの様子はどうだ？」
サラ
「気を失ってるみたいです…」
あの後、少しだけ話し合いは中断になった。
その間、私はトクと話していた。
彼女にいつもの余裕感はなく、難しい顔をしていた。
前髪のちょんまげを結び直しながら、「失敗したな……」と言っていた横顔は、とても寂しそうで。
もう、私を守ると豪語していたトクではなかった。
そして、カンナさんはというと、気絶した後サラさんに介抱されていた。
レコさんが心配そうに様子を聞きに来て、しゃがんでカンナさんの頭をそっと撫でる。
レコ
「クソッ、マジ許せねぇ…！死んだだと…！？この子が…何したっつーんだよ！！犯人には人の心ってのがねーのかよ！！」
レコさんは拳を握りしめ、全身で怒りを露にしている。
人の命をあんなゲームで奪うだなんて、悪趣味にも程がある、吐き気を覚えた。
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