【そらる】どうか、俺を欲しがって２

６９ ページ19

.





ライブ会場を出ると、グッズの販売30分前らしく、さっき確認していたカイロが並んでいるお客さんに配布され始めていた。

ランダムで配布されたカイロを、近くの人同士で交換したり、喜んでくれている姿にほっとして、なんだか心があたたかくなった。



会場に戻るのはぎりぎりでいいと言われたので、今日は久しぶりにゆっくりぶらぶらしようと思い立って。





「お疲れ様です〜！」

11時。

少し早めのランチをしに仲良しのオーナーさんがやっている渋谷のカフェに来た。



アンティークの家具などが揃えられた、白を基調とした店内に入ると、Aじゃん。と出迎えてくれる。


長めの黒髪に、髭を生やした少し怖い見た目とは逆に、すごくふわふわした優しい人。


柏木 隼人 (30)

カフェ 「solov」のオーナー
Aと付き合いが長く、気に入っている。




「ちょっと新しいメニュー考えてて、今日は色々味見でもいい？」

隼人さんとは知り合って長く、少しお店をお手伝いをしていたこともあり、ふらっときてはこういう風にのんびりさせてもらっていて。


食べたいです！と答えて少し待っていると美味しそうなパスタやオムライス、サラダ、スープなどそれぞれを盛った小さなお皿をいくつも机に並べてくれる。


「これ、全部新しいメニューなんですか？嬉しい〜！！」

「そう！さぁお食べ〜。」



.

７０→←６８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す