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クラスメイト ページ6

山田くんに職員室まで送ってもらい、学年主任の先生に会った。
担任は優しそうな若い男性教員だった。
懇切丁寧にクラスのことなどを説明してくれるその姿に熱心だと感心した。

「じゃあ、山南さん、僕が合図したら入ってきてくださいね。」

朝のホームルームの時間、廊下で待たされる。
小さいけれど、教室の中から先生の声が聞こえる。
転入生、という単語が聞こえた瞬間、教室がざわめく。
先生の声を聞き取ろうと必死に耳をすます。

じゃあ、入ってきてください、とそんなような声が聞こえた。
姿勢を正してドアを開ける。
教卓の横に立つと、好奇の目に晒される。

「ヨコハマの○○中学校から来ました、山南Aです。イケブクロのことも、この学校のこともまだよく分からないので、教えてもらえると嬉しいです。よろしくお願いしますね。」

考えていた自己紹介は全部飛んだ。
転入先では優しいふんわりした女の子路線でいきたいと思ってたのに。

とりあえず、優しく微笑んで一礼する。
顔を上げると、ある男の子と目が合う。

山田くんだ。
同じクラスだったんだ。
さっき話したことが現実になった。

「じゃあ、山南さんは…。あ、山田くんの隣が空いてるな。山田くん、手挙げてくれるかなー?」

知ってる。さっき目が合ったし。
一番窓側の一番後ろ。最高の席。

だるそうに手を挙げた彼の隣まで歩いていく。

「よろしくね、山田くん?」

丁寧に。周りに好かれる、取り繕った笑顔で。

「…よろしくな。」

彼は一瞬、変な顔をした。
なんとなく、取り繕ったのがバレた気がした。

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作者名:ゆかり@神無月 | 作成日時:2018年9月25日 23時

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