#8『迷子の迷子の子猫さん』 ページ8
とあるひ寒い11月の日、神楽は謎っちゃんを連れ出しかぶき町へと出かけた。
『謎っちゃんはかぶき町の事をまったく知らないネ!だからかぶき町の女王、神楽ちゃんが教えてやるアル!』
そう言って、銀時達に告げる間も無く連れ出された謎っちゃんは最初は確かに神楽と手を繋いでいたのだ、離れないようにと。
けれど、手を繋いで走っている内に厄介な事が起きてしまったのである。
それは----
『キャァァァ!家事よ!』
おっと失礼誤字が出てしまったようだ。
え?面白くない?またまたそんな事言わずに。
え?いい加減にしろ?分かったわ、もう2度とやんない。
まぁ大体察したであろうが、そう。
火事が起きてしまったのである。
そして、その火事の周りに当然集まるのは野次馬。
最初は怖いなぁなんて2人で言い合っていた二人だったが、段々と野次馬達に押し寄せられて、気がついたら手が離れていた。
その事にも気付かず颯爽と人混みの中から逃れて酢昆布を買いに駄菓子屋へと向かう神楽。
そして、駄菓子屋に神楽がついたところで、野次馬達から要約逃れた謎っちゃん。
時間差がありすぎる。
当然神楽は駄菓子屋。辺りは野次馬ばかりで為す術もなく立ち尽くす謎っちゃん。
どうしよう怖い、謎っちゃんは混乱と恐怖に怯えながら万事屋へと帰ろうと必死に帰り道を探すも、探せば探す程に迷っていった。
これはどうしたものか、と一人悩みまた立ち尽くす。
(どうしよう、もう会えないのかな…?)
なんて事を考えていると、次第に涙が零れていく。
無理も無い、ついこの間記憶喪失になった少女が知らない町で迷子だなんて、不安以外の何者でもない。
不安でいっぱいだった謎っちゃんの元へ偶然にも、あの男が通りかかってしまったのである。
『おい、大丈夫か?』
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作者名:アホ毛(U^ω^)わんわんお! | 作成日時:2017年6月28日 0時