輝きのセレーネ【月永レオ】 (ページ37)

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輝きの失恋ページ37

レ｢おまたせー！着替え完了ー！｣

英｢もうちょっと静かにしてくれるかな？びっくりして心臓が止まるかと思ったよ。｣

『えﾞ！？やめて！？英智くん冗談でも本当に聞こえるから！』

生徒会室の大きなドアを思い切り開き、ズカズカと入ってくる
いつもの鋭い目付き…ではなくへにゃぁっと口角が上がりにこにこしていた
その表情を見てほっと胸を下ろした

レ｢今最高に気持ちが高ぶってるんだよ〜！｣

『そっか、なんか久しぶりにそんな顔みた！』

レ｢〜っ…心臓に悪いからやめてくれ｣

気の抜けた笑顔を見せると顔を逸らさ拒否された
何か悪いことでもしたのだろうか。
最近は他人の行動に理解が追いついていない気がする

英｢2人とも本調子に戻ったみたいでかったのだけれど、人前でいちゃいちゃするのは治らないんだね？｣

『してないです』

レ｢嫉妬か？お前彼女いたことなさそうだしな！俺もないけど！｣

英｢失礼な…まぁ、僕は好きな人が出来たってその人と付き合って結婚することはできないんだ、政略結婚させられるだろうし。｣

何かを悟ったような口ぶりで淡々と話した
窓の外を見つめている
外は群青色に染まり始めようとしていた

『御曹司ってそういうところ可哀想』

英｢もうっ僕の話なんかより君たちはどうなの？もうお互いの気持ちに気づいているんじゃないのかい？｣

『え…薄々気づいてたけど最近は私の事嫌いなのかなって…でも今日ので確信したかも』

レ｢それはこっちのセリフ。おれのこと嫌いなのかと思ってた。｣

『そう思ってたのによく私にしたね……』

レ｢あれは感情が抑えきれなくて！｣

『……え』

今日の私はよく蒸発しそうだ。
私に爆弾を投下されている気分になっている
良くも悪くもやめて欲しい
せっかく感情を忘れてたのに

レ｢だって…！あ、まって、ここで言っちゃダメだ！｣

『何？どしたの？』

英「そろそろ帰ろうか。迎えの車が来るしね。｣

レ｢そうだな！！帰ろう！Aおいで？｣

『その手は……？』

レ｢手繋ぐだろ〜？｣

『うん…？英智くんお先に失礼します〜！！』

2人で帰る時いつも手を繋いでいた
その癖がついてきてる
方向音痴な為お互い迷子にならないように

レ｢テンシまたな！｣

英｢あぁ、また明日。｣

黄昏時、まだ月の輝きに私を導かないでください

英｢……これでもAのこと好きだったんだよ｣

生徒会室に1つの恋が散った