輝きの雫 ページ23
『……っぐ。……ひっく』
レ「そろそろ泣きやめよ〜」
『無理…っ』
レ「はぁ、そんな泣いてると、目が腫れてブスになるぞ〜?」
『元々、可愛くないよ…』
レ「……あーもう!ほら、もう泣くな!」
頬を掴まれて涙を親指で拭われる
あぁ、情けないな。
今まで人前で泣いたことなんて片手に入るぐらいしかないのに
『……ぅ』
レ「お前のそんな顔みたくないんだよ…やな思い出思い出すしさ、」
『前にも泣いたっけ…』
レ「覚えてないのか?あの日泣きながら謝ってきたの。」
『……覚えてないな。』
レ「そっか、」
あの日何で泣いていたかなんて自分でも知らない。
人の目線、声、音、心臓、全てが痛かった気がする。
罪悪感と絶望感が私の身体を蝕んだ。
ただただ彼に謝罪を述べていた。
彼は寂しそうな表情を浮かべ視線を逸らした。
掴んでいた手が離れ、次第に歩きだす。
レ「ほら、もうお前の家だぞ。」
『うん、ありがと。』
レ「早く答え出せよ?おれがどうなるか分かんないし、」
『……』
レ「…じゃあな」
ちくちくと胸が痛む。
行かないでよ。その一言が喉に詰まって苦しい。
言っちゃだめだ、もう彼とは何でもない。
もう会えないような気がするのはどうしてだろう。
ずっと一緒に居たいだなんてなんて強欲な人。
……そっか、私あいつと離れたくないのか。
『っ……さよなら。』
それなのにどうしていつも突き放すようなこと言うの。
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作者名:うななちゃま | 作成日時:2023年4月27日 0時