素直になれないのは君のせい【月永レオ】 (ページ10)

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途切れる旋律ページ10

泉｢A大丈夫？あのバカ彼女おいて学校来ないとか意味わかんないんだけどぉ｣

泉が隣で怒っている。

『仕方ないよ。私たちは負けたんだ。王さまは殺された。充分私も悪い。もうステージに立てない。もう無理。無理』

一気に色んなことが溢れ出した

泉｢ちょっと…泣かないでよねぇ｣

『アイドル辞めたい』

泉｢…あんたはよくやったよ。頑張った。｣

何も言わずにそっと空を眺めた

『…今日もレオの家行ってみる、泉今日は1人で行かせて』

泉｢別にいいけどぉ｣

『じゃ、先に行くね』

泉｢あ、ちょっと…まだ4限終わったばっかだって言うのに…｣

泉を残して夢ノ咲を出た

『レオ、起きてる？中入っていい？』

ｺﾝｺﾝと部屋のドアをノックした

まだ昼だからか両親は仕事、妹は学校なようだ

どうやって入れたかって？レオお母さんが鍵渡してくれた。

レ｢やだ。来るな｣

今日も拒否された

『なんで、無理。お前の言うこと聞かない』

今日は容赦なく部屋に入ろうとした

レ｢っ…。もう3日も風呂入ってな…｣

『別にいいけど』

暗闇の中にひとり。作曲したであろうぐしゃぐしゃになった紙が散らばっていた

レ｢曲を作ろうとしても…途切れ途切れで音が聴こえないんだ…それで｣

『れお。何も言わなくていいよ…』

先程止めたはずの涙が溢れる

私は気がおかしくなりながらも王さまを抱きしめた

思いっきり。骨が折れそうなほど。

レ｢A…ごめん、ごめんな｣

そう言って抱き締め返した

傷ついた手に細くなった腕。あいつだと思いたくない。

『謝らなくていい。いつもみたいに言えよ。うっちゅーって』

レ｢…ごめん…｣

『なんなんだよ…いつもみたいに私のこと好き好きって言っててよ…ｸﾞｽｯこっちも辛いんだから』

レ｢…しばらくこのままでいさせて…インスピレーションが…湧いてくるかもしれない｣

こんな時までインスピなのかよ

彼なりの口実かもしれないが

『…一生離さねぇから』

レ｢…好き…Aのこと好きだ…｣

『うん…』

安心する。定期的に聞く単語。恥ずかしいけど今は2人きりだから別にいい

そこで意識は遠のいた