第二皇子様の寵妃は黒髪で (ページ3)

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朝、目を開けた。

隣には誰も居ない。ここ暫く私の旦那様は仕事が忙しく、部屋には戻られず、自身の執務室に籠り切りだ。

ぼうと天井をみる。鳥が鳴いている為朝の6時か7時か8時か…。多分それくらいだろう。

A『もう少し寝るかぁ。』

別に紅明様もいないことだし、良いだろう。

そう思い、腕を大の字に伸ばすと目を閉じる。

数秒後カタンと戸が開く音。

足音、衣擦れの音、溜息を吐く音、

私は、飛び起きた。

無断で私の部屋に入ってくるお人など1人しか居なかろう。

A『お久しぶりですね、紅明様！！』

障子から漏れでる朝日に照らされて彼の人はそこに居た。

大分やつれた御様子で話す気力も無いようだ。

紅明様の周りの空気が酷くよどんでいる。

私は、寝台から降り、紅明様に近寄ると彼が脱いだ上着を受け取り皺がつかないように長椅子にかけた。

途端、紅明様は私の首に顔を埋める形で抱き着いてきた。

そのまま、寝台の上へ。

紅明｢少し、疲れました。｣

そのまま爆睡をかました紅明様。

A『あらあら、珍しい』

甘えたいのか、ただ単に疲れているのか、判断はしかねるが物凄く珍しい。

そっと、そっと体の位置をズラしてお腹に顔が来るようにする。

こんなに起きないなんて相当だ。

寝息をたてる彼の頭撫でる。起きるまでこのまま、のんびりすごそうではないか。