すの女の子3 (ページ23)

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(渡辺 side)

ふと隣を見るとAがいなくて
店内をぐるっと回ると真剣な顔で
パーカーを選んでいた

「何色か決まった？」

『っ！ビックリした…
もう買い物終わった？』

「あとお会計だけ。で、何色にすんの？」

『…見てただけだから。お会計してきていいよ』

なんてさっきまで一生懸命見てたのに
慌てて売り場に戻すAからパーカーを
１枚とって合わせる

渡辺「俺は赤好きだけど
俺にも選んでよ、似合いそうな色」

『…黒、かっこいいよ』

「んじゃ黒にしよ。Aは赤のXSでいい？」

『自分で買う…！』

「俺の買うついで。その代わりいっぱい着て」

なんて一緒にレジに持っていけば
大人しく後ろをついてくる

ちょっと高かったけど

『ありがとう！大事に着るね！』

なんて笑顔で言われたら値段なんて
どうでもよくなった(単純)

Aの服も何着か買って
気付いたらもう18時

「結構買い物したな」

『そうだね。ご飯どうす……』

車を走らせようとすると携帯がなる

「ちょっと待ってて。…はい、もしもし」

樹「もしもし、しょっぴー？
今何してんの？」

「買い物してた」

樹「そうなんだ。今どこ？飯行かね？」

隣を見ると、大人しくスタバを
飲みながら、携帯をいじっている

「あぁー、今日は無理…
また今度でもいい？」

樹「わかった。じゃあまた明日
バイバイ、しょっぴー」

電話を切ってAの方を向くと

”終わった？”って目が合う

「終わったよ。お待たせ」

『ううん、何食べるー？』

なんて無邪気に笑うAを見て
車を発進させた