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「───お前、ええ加減にせぇよ」
『へ･･･？』
そして、シールのみならず、もれなく男性までもがこちらを振り向いてしまった。
逃すまいと言うように、痛いくらいの強さで手首を掴まれる。
「お前、さっきからずっと後ろつけてたやろ」
『あ、いや、それは･･･』
言えない。値引きシールを剥がす為だったなんて言えない･･･！
どう弁解しようかと考えあぐねていると、その男性はマスクを顎まで外し、それはそれは美しい顔立ちを鬼のような形相に歪ませて言った。
「今日こそは警察突き出したるからな」
『けっ、警察･･･！？』
まさか、たかが値引きシールだけでそんな事に発展するだなんて思いもせず、事の展開に少しずつ頭がパニックになっていく。
「当たり前やろ。お前がやってんのはストーカー行為やぞ･･･！」
『･･････ス』
"ストーカー行為"
そして、極めつけとばかりに飛び出したその言葉に、いよいよ私の頭がフリーズする。
ストーカー？今、初めて出会ったこの人に？
確かに、顔は整ったいわゆるイケメンかもしれないが、だからってアナタをストーキングする程の感情などこれっぽっちもない。
完全なる誤解だ。
『ち、違います！ストーカーなんかじゃありません･･･！』
とにかく、どうにか早く誤解を解こうと、私はそう主張しながら首を大きく横に振った。
「犯人は大体そうやって言うもんやで。それに、違うんなら何で俺の後つけてた？」
『そ、それは･･･』
鋭い視線を向けられ、私のひ弱な精神がついに限界を迎えた。
『すみません！あの、これが誤ってあなたの服に付いてしまって！それを取ろうとしただけなんですすみません！あの、あの･･･返しますから！ほんと、ごめんなさい･･･！』
半ば喚き散らすようにそう述べて、私は指に貼り付けていたままの値引きシールを男性の胸元に押し付ける。
そしてひたすら、すみません、すみませんと謝り倒しながらどうにか手を振り払うと、私は一目散にその場から逃げ出した。
「あっ･･･ちょっと待てや･･･───」
相手の制止など聞けるものか。
私はキャリーケースを強引に引きずりながら、無我夢中で走った。
出張前に銀座で軽くランチができたらいいな、なんて淡い期待を抱いていたが、もうそれどころではない。
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めめこ(プロフ) - 匿名さん» 癒やしだなんて･･･！こちらこそ、ありがとうございます！ (2022年4月3日 8時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 夜な夜な作品読ませていただいています、日々の癒やしです、ありがとうございます！ (2022年3月30日 2時) (レス) @page45 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» まさにうちキュンに影響された作品です(笑)引き続き応援よろしくお願いします！ (2022年2月21日 22時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うちキュンですね♡何か本当に頭の中にこのストーリーの映像が浮かびます(^^)応援しております！ (2022年2月20日 23時) (レス) @page24 id: bdc8ba7bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年2月11日 20時
