□20(丸山side) ページ20
いつもはどこか控え目で、自信なさげな笑みを浮かべているような印象だったが、今は凛とした強い女性だった。
「は？誰ですか？」
しかし、突然現れた彼女の存在に、こちらの2人はあからさまに不満気な表情を浮かべた。
この状況を一体どう対処するのだろうかと、俺は内心ヒヤヒヤとしながら、彼女へ視線を向ける。
『マネージ･･････レコード会社の者ですが？さ、丸山さん急いでください。遅れます』
「あ、はいはい。それじゃあね」
一瞬迷ったようだが、ここでマネージャーではなくレコード会社の人間と名乗ったあたりは、中々機転が利いている。
俺は有り難く彼女の嘘に便乗して、その場を離れる事に成功したのだった。
行き先とは真逆であったが、小走りで前を行く彼女の背中だけを頼りに、俺もその後ろをついていく。
そして角を曲がった所で、彼女は足を止めた。
「Aちゃん───」
『す、すみません･･･！』
「え？」
もうそこに、先程までの彼女はどこにもいなかった。
こちらを振り向いたAちゃんは、いつもと変わらぬ気弱そうな表情を浮かべ、ペコペコと俺に頭を下げている。
『出過ぎた真似をしてしまいました！丸山さんとファンの方との大事な交流の時間を･･･！』
「いやいや、気にせんといて。むしろ、ありがとうやったし」
『でも･･･』
しかし、彼女はいまだ罪悪感にさいなまれているようで、不安げに視線を彷徨わせながら、口元に手を当てる。
その指先は微かに震えており、顔も段々と俯き加減になっていく。
『･･･でも、どうしてかあの時、丸山さんが困っているように見えてしまって･･････居ても立っても居られなくて･･･』
「Aちゃん･･･」
彼女の性格からしたら、きっととても勇気のいる事だったと思う。
それでも、あの時俺に声を掛けてくれたのだと思ったら───。
「───Aちゃん、顔、上げて」
純粋に嬉しかった。
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めめこ(プロフ) - 匿名さん» 癒やしだなんて･･･！こちらこそ、ありがとうございます！ (2022年4月3日 8時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 夜な夜な作品読ませていただいています、日々の癒やしです、ありがとうございます！ (2022年3月30日 2時) (レス) @page45 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» まさにうちキュンに影響された作品です(笑)引き続き応援よろしくお願いします！ (2022年2月21日 22時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うちキュンですね♡何か本当に頭の中にこのストーリーの映像が浮かびます(^^)応援しております！ (2022年2月20日 23時) (レス) @page24 id: bdc8ba7bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年2月11日 20時
