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な「Aちゃん好きな人いるの？」
少し沈黙ができた後、なぎひこはそう言った。
好きな人…。
なんか分かんなくなっちゃったんだよね。
私にとってのなぎひこは憧れなのか、恋愛としての好きなのか。
元々、私はなでしこが憧れで尊敬してる女の子だったっていうのもあるし。
『んー…分かんない』
な「深く考えなくてもいいんじゃないかな。憧れでも恋愛でも他のどんなことでも、好きなら好きって言う。それでいいと思うよ」
…好きなら好きって言う、、か。
確かに、そうかも。深く考えるから今こうやって悩んじゃってるだけだもんね。
私はなぎひこの方を向き直して、ありがとう、と言った。
な「うん」
『じゃあ、好き』
な「え」
私の突然の告白にびっくりして目をぱちくりさせているなぎひこ。
『何信じてんのばか』
ああ、また素直になれない。
私がそう言うと、なぎひこは黒いオーラを放って私の両頬を引っ張った。
『いはい！なひひほ！』(痛い！なぎひこ！)
な「そういういじり方はよくないよAちゃん？」
必死に訴えると、そう言って手を離した。
私は痛むところを手でさすった。
な「あーあーちょっと期待しちゃったのにな」
なんて言うなぎひこにびっくりしながら。
『そういうのいらないー』
私はむっとして上半身を起こして睨む。
な「信じてくれないんだー残念」
なぎひこは、" まだ痛む？ごめんね" 、と言って私の手をぐいっと引っ張り体を引き寄せてさっきので少し赤くなった頬を優しく撫でた。
…近い。
ああお願いだからそういうことしないでほしい。
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作者名：柚 | 作成日時：2020年3月22日 14時
