猫田くんの逃亡 ページ35
sideA
訳が分からなかった
目の前に現れたのは姫宮桃李と伏見弓弦
彼らは何やら俺を知っているようだ、だけど自分は.......
「あ、これダメなやつだ」
声に出した瞬間ブツリと何かが切れる音が響く
暗転した世界にそこには俺がいた
「やっぱり、あんたが異世界の俺ってわけ?」
「うん。やっと逢えたね僕。」
少しだけ気弱そうに笑う少年に本当に自分なのかと思う。しかし、きっとこの子は自分の夢に手を伸ばせなかった自分の気がした
「ねぇ、気になることがあるでしょう?」
「そりゃぁね。でもここまでで終わりでしょ?あんたが来たってことは俺の人生はここまでだ。」
「それは違うよ。僕だって死んでるもの」
その言葉に目を見開いたこいつは何を言ったのだと
「教えてあげる。僕がどうして死んだのか、ううん逃げたのか。きっと僕の逃げた過去から君は逃げられないと思うけどきっときみなら最善策を見つけられるって信じてるよ。」
だから
「頑張って」
肩を叩かれて一気に流れ込む時間の流れ。
まるで自分が体験したかのように走馬灯のように流れる
あぁ、俺は自分の家から逃げたかったんだね
ぶつりと大きな音が耳元で鳴り響く
気がつけば夕暮れの病院、先程の光景だった
でも、わかったといえど理解は出来てない
だから
「逃げるが勝ち
神谷先輩!この人たちとめといて下さい!」
神谷「え?!あ、はい!この僕にお任せ下さい!」
いえーい!なんて言って猛ダッシュして駆け抜ける。
うるせえ逃げるが勝ちだ!本当に!まだ理解しきれないんだもん無理無理!
取り敢えず帰って作戦会議だ!
猛ダッシュでかけ抜ければ見えたのは日々樹渉と蓮巳敬人、そして金髪の少年
こちらを見て驚いたような顔をしてる
日「おや?あなたは先日の.......」
蓮巳「病院内で走るな!」
「?誰か知らないけど興味無いからちょっと失礼!」
くるりと方向を変えて駆け抜ける。本当に今は興味無いんだ逃げろ!
姫「ちょっとA!英智様に挨拶もしないで!!」
英智様?あーなんか面倒くさそう!取り敢えず話は後だと俺は足をすすめた
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作者名:ゆめの | 作成日時:2019年3月1日 15時