1 ＊swimming fool ホシ ページ27
俺たち、なんで一緒にいちゃいけないのかな
好きなんだ、大好き、愛してるのに
こんなにたくさん想ったって、叶わない
薄暗い部屋の中
彼女の番号を探して、通話ボタンを押すのは何回めだろう
ちょっと気持ち悪いかな、迷惑かな
どっちにしろ、俺からの電話に彼女は気づかない
"私、もうここにはいられないの"
あの日の彼女の言葉は、俺の息を詰まらせるのには十分すぎた
なんで、どうして、ずっと一緒にいたいのに
ずっと一緒だって、約束したじゃんか
俺はただ、必死に作り笑いを浮かべて
"そっか"
それだけ
それだけしか言えなかった
"スニョン、泣かないでね。ずっと一緒にいるって言ったじゃない。誰も私たちを引き裂くことはできないんだから"
ああ、そうだった、誰も俺たちを引き裂くことはできないんだ
電話は繋がらなくても、同じ空の下に2人はいる
だけど、辛いよ
会いたくて堪らない、もっと触って、いろんなところにキスをして、愛してるってたくさん言いたい
たまには君のことを考えないよう頑張ってみるけど
頑張れば頑張るほど、思い返すのは君の笑顔と優しい声
ほら、ちょっと考えただけで身体中が熱くなって
どうにかなりそう、気が狂いそう
「会いたいよ、A...」
水槽の中で揺れる金魚が、口をパクパクさせて一生懸命泳いでる
金魚は泳ぎが苦手だって言ったのは、確か君だっけ
あとどれくらい寝れば、君に会えるのだろう
会える日は、来るのかな
もう3年経つけれど
今でも繋がらない電話をかけ続ける俺は
泳ぎが苦手みたいだ
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作者名：アナゴ | 作成日時：2017年4月21日 23時
