王さまの姉 ページ4
優曇華院咲月さんリクエスト『Knightsとの絡み』
『レオ!!』
ばんっ、と勢いよく扉が開いたかと思えば、王さまと同じ髪色と瞳が視界に飛び込んできた。
月永A、去年まで先輩だった人だ。れおくんのお姉さんで、彼とはまた違った意味での天才。
アレの姉とは思えないほどちゃんと礼節をわきまえているこの人がノックを忘れるほど焦るなんて、またれおくんに何かあったのでは、と内心ではおれも焦ってしまった。
「…王さまならいつも通り来てないけど。ていうかノックを忘れるなんて、あんたらしくもないよねぇ。そんなに急ぎの用?」
『ああ、ごめんなさい泉くん。あの子ってばレッスン着を道端に落としていくものだから、つい…』
何事かと思えば、まーた落とし物だった。スマホに財布ときて次はレッスン着かあのバカ殿、と怒りを通り越して呆れる俺に、Aはもう一度謝った。
「別にあんたの謝罪はいらないんだけど。ま、ちゃんと指導してよね、保護者なんだからさぁ」
『うん、いつもありがとうね』
花が咲いたような笑顔でお礼を述べ、彼女は王さまを探すためにここを去った。
まあ、俺たちもあの人に頼ってばっかじゃだめだよねぇ。寝ているくまくんと、Aと入れ替わりで来たかさくんとなるくんを連れて、面倒くさいけど王さまを探しに出た。
「泉ちゃんも素直じゃないわねェ」
「無駄口叩いてないで早くあのバカ探してよ、なるくん」
あらこわ〜い、なんてくねくねしながら言われても反応にこまるんだけど。俺は別に、あの人に借りばっか作ってらんないから探してるだけだし。
「なんと、瀬名先輩はお姉さまのことが好きなのですか?」
「誰もそんなこと言ってないでしょ」
「はぁ?ちょっとセッちゃん、それは困るんだけど」
「くまくんも人の話聞いてよねぇ」
ああほら、また面倒事が増えた。これだから団体行動は向いてないんだよねぇ、このユニット。
早く見つかれ、と恐らくどこかで作曲に没頭しているあのバカ殿に舌打ちをすると、思いが届いたのか、聞き覚えのある歌声が聞こえてきた。
やはり、角を曲がった先で、Aに手を引かれながら歌う王さまを見つけた。
幸せそうに歌っちゃってさぁ、迷惑かけてるくせに、と口走りながらも、内心はうれしかった。
あれこそ、本来のれおくんだよねぇ。幸せそうで何より。まあレッスンをすっぽかしたことは許してやらないけど。
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海道蓮(プロフ) - 優曇華院咲月さん» 了解しました! (2021年2月2日 23時) (レス) id: 3f508cdd1a (このIDを非表示/違反報告)
優曇華院咲月(プロフ) - 海道蓮さん» レッスン室にレオ先輩の忘れ物を届けにいく的な? (2021年2月2日 7時) (レス) id: b913713117 (このIDを非表示/違反報告)
海道蓮(プロフ) - 優曇華院咲月さん» リクエストありがとうございます!ご希望のシチュエーションがあれば教えてください! (2021年2月1日 23時) (レス) id: 3f508cdd1a (このIDを非表示/違反報告)
優曇華院咲月(プロフ) - リクエスト! Knightsの方と絡めて欲しいです! (2021年1月31日 23時) (レス) id: b913713117 (このIDを非表示/違反報告)
海道蓮(プロフ) - moekaさん» コメントありがとうございます!更新不定期でごめんなさい。本編が進み次第、どんどん書いていきたいと思います! (2021年1月28日 0時) (レス) id: 3f508cdd1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海道蓮 | 作成日時:2020年8月7日 14時