1話 ページ2
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「なあ、A。お前は鬼がいない世界になったら何をしたい?」
桜が狂い咲く季節、親友と酒を呑んでいた時の話だった。
酔いしれていた親友が突然そんなことを聞いてきたのは。
『...随分と夢見心地なことを言うじゃないか。いきなりどうしたんだい?』
「いや、この前少し考えてな。
お前たちと鬼のいない世界で出逢ってたらどうなったんだろ、って。」
『...へえ。...ふふ、素敵なタラレバだな。』
「だろ?」
ええっと、それでなんだっけ?
鬼がいなくなった世界になったら何をしたい...か。
『...私は______』
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___ピピピピッ!
『っ。』
けたたましい目覚ましの音で目が覚める。
『......随分懐かしい夢を見たな。』
...あれから私はなんて答えたんだっけ?
鬼の、いない世界になったら___。
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早朝6時、メインストリートの掃き掃除をする1人の女性の元に運動着を着用した生徒がわらわらと集まる。
「Aさーん!」
『おや、おはよう。今日は早いね。』
「今日は部全体で朝練があるんすよ〜」
『そうだったのか。確か...まじふと部、だったか?』
「そうそう!2ヶ月後には試合があるんで!今日から毎日朝練っす!」
『それは大変だな。なるべく体を冷やさないようにするんだぞ?試合、応援してる。』
「「「あざっす!」」」
生徒たちは元気にお礼を言って運動場まで走っていく。
再び掃き掃除を再開した彼女の後ろから声がかかる。
「...おはようございます」
『ジャック君。おはよう。君も朝練かい?』
「ウッス。」
『ふふ、そうか。朝は冷えるからね、頑張っておいで。』
「...!あざっす!」
Aは内緒だと笑ってジャックに持っていたカイロを渡した。
ジャックは後ろに生えている尻尾をパタパタと振り、頭を下げて去っていく。
『...ふう。』
今日も、長い一日が始まる。
(雑用係の日常)
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あ - 面白いです…!!これからも更新頑張ってください! (7月10日 18時) (レス) @page9 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ - 夢主さん、うちに嫁に来ないかい?大事にするよ (2020年12月28日 21時) (レス) id: 285d3eca52 (このIDを非表示/違反報告)
あるみく - うぅ……グスッ……、夢主の気持ち切な過ぎて……グスッグスッ………泣けます…… (2020年11月25日 22時) (レス) id: 8de5b8d706 (このIDを非表示/違反報告)
お水とお餅(プロフ) - フグ刺し.......派手柱か......?う〜ん( ´〜`) (2020年10月3日 17時) (レス) id: c273debe8e (このIDを非表示/違反報告)
あるみく - ジャミルとの絡みでものすごくニヤニヤしてしまいました!これからも頑張ってください! (2020年10月3日 14時) (レス) id: 8de5b8d706 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいしいくじら | 作成日時:2020年8月16日 2時