47話【昼頃の惨劇.4】 ページ8
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「怜が、行方不明…?」
「その通りじゃ、そなたも怜も私から離れて行くのじゃから…」
大変大変。と云った表情をする紅葉。それでもその瞳には悲しみと慈愛に満ちている
「さぁ帰ろうぞ、鏡花」
ゆっくり近づこうとする紅葉に
「違う」
「私は闇の花じゃない」
そう云い放つ鏡花の瞳には、光。暗い暗い闇を明るく照らし、闇が憧れを抱く。不安定であるが、其処に確かに揺らめいていた
「怜も私が探す」
「……恨むぞ小僧」
「あの子は光に目が眩んでおる。貴様が見せた光じゃ」
「しかし幸い______」
光に反射し、ぎらりと輝く刀を取り出す
「まだ手はある」
刀を敦の首元へ当てる。それは確実に、魂を喰らわんとする夜叉の構え
「小僧なき探偵社はさぞや居づらかろうて、そなたの所為で殺されたとあれば尚更」
「ぐっ…」
「待って」
「判った」
「…戻ります。だから」
笑顔で鏡花を見つめる紅葉。優しい笑顔の裏の愛情の狂気。敦の首に添えていた刀をソッと離す。そして、刀を抜く夜叉
「凡てそなたの為じゃ、鏡花。孰れ判る時が来る」
ドサリと倒れる敦。それに見向きもせずに、鏡花に近づき、手を差し出す。そしてそれを掴む鏡花
成す術無し________そう思った
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、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月23日 23時) (レス) id: 60bdb0c3c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネロネーロ | 作成日時:2018年7月23日 23時