【呪術廻戦】狗巻と黛はすこぶる仲が悪い

拾伍《4》 ページ16

伏黒side




まずい

万が一もねぇと思ってたことが起きちまった


呪物回収の任務にあたったはずなのに

なんでこうなったんだ




呪物を拾ったという虎杖悠二は

接触した頃にはもうそれを持っていなかった


呪物を持っていた生徒は

あろうことか封印まで解いて…くそっ



二級の手に負えるもんじゃねぇぞ

早く誰か来てくれ


虎杖の体に受肉しやがったんだ

両面宿儺が…！



「オマエを"呪い"として祓う」

「いやなんともねーって。それより俺も伏黒もボロボロじゃん、はやく病院いこうぜ」



それまで体にあった宿儺の紋様が薄れてく

精神は虎杖…だと思いたいが


今が虎杖か宿儺かも俺にはわかんねぇ


どうしたらいい？

この"善人"を、祓うのか…？



「今どういう状況？」

「なっ、五条先生！どうしてここに」

「や」

『ちょっと、指見つけとけって言ったけどなんで血だらけなの』

「あんたは遅すぎなんだよ」



来た、やっと


張り詰めた緊張から解放されて

若干の安心感から地面に手をつく



『…大丈夫？恵ちゃん』

「……あんたこそ、顔色悪いですよ」

『恵ちゃんには負けるね』



そりゃそうだ

こんだけ血出てれば青くもなる



「来る気なかったんだけどさ、さすがに特級呪物が行方不明となると上が五月蝿くてね。Aも行くって言うし、観光がてらはせ参じたってわけ」

『私は所得領域を増やしたかっただけ』

「はいはい。で、見つかった？」

「……」

「あのー…ごめん、俺それ食べちゃった」



途端に2人の顔が固まる


まぁ…そうだよな


普通呪物を取り込んだりしたら

自我を保てない


その体も呪いに染まるはずだから



「『マジ？』」

「「マジ」」

「んー？…ははっ、本当だ混じってるよ」

『さっき感じた宿儺の気配は、虎杖くんの体に受肉した時に漏れ出た呪力か…なるほど』

「体に異常は？」

「特に…」

「宿儺と代われるかい？」

「スクナ？」

『君が喰った呪いね』

「あぁうん、多分できるけど」

「じゃあ10秒だ。10秒経ったら戻っておいで」

「でも…」

「大丈夫、僕最強だから」



そんないつもの決めゼリフを吐いて

五条先生は準備運動を手早く終わらせた


A先輩は虎杖の体にいる宿儺について

自分の中で分析しているようだ



久々にA先輩の本気が見れるかと

思ったんだが…


宿儺にも虎杖にも怒っていないから

殺り合うのは五条先生だけか



それなら頼むから

少しくらい手当してくれ

.

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