頭から離れない光景 ページ8
どうかそこにいてくれ
そんな願いは無残に打ち砕かれる。
Aどころか、監督生やグリムもおらずもぬけの殻だった。舌打ちが静かな空間に響く。
｢いけないいけない、感情的になっては。｣
しかし何処にいるのか皆目見当もつかない。
深く深呼吸し頭をフル回転させていたその時
｢今帰ったぞ、Aよ〜、.......何じゃ、おらぬのか｣
｢茶々丸さん！｣
急に部屋に現れた茶々丸に驚くクロウリー。
｢どこへ行ってたのです！？｣
｢飲みに行ってただけじゃ｣
｢長すぎますよ！｣
1年の付き合いで、茶々丸の飲みに行く、は1日限りではなく数日かけて行われるものだとAは知っていた。
しかしクロウリーはそんな事実露ほども知らず。
｢おい、クロウリー｣
｢なんですか私今結構いや人生の中で1番大変な｣
｢この臭いはなんじゃ。気持ち悪ぅて吐きそうじゃわい｣
｢.......なんのことです？｣
神獣という、獣である茶々丸は、人間より敏感な嗅覚を持っている。
クロウリーや、監督生、グリムさえも気が付かなかった臭いに一瞬で気がついた。
｢これは、ヤバいぞ｣
｢.......どんな、臭いなんですか｣
ゴクリ、と固唾を呑んで回答を待つ。
嫌な予感しかしない。
茶々丸の顰めっ面を見てしまえば、相当ヤバい事だと嫌でも理解した。
｢血じゃ｣
｢っ.......｣
やはり
的中したことにより、息が苦しくなっていく。
何故、血が。魔力の暴走で怪我をしていたとAは言っていた。荒れた部屋には特にこれといった血溜まりは出来ていなかった。なのに、ゴミ箱には乱雑に突っ込まれた血だらけの服と剥がれた爪。
それ以上に、酷い、血の匂い
嫌な汗が吹き出る。
｢ちなみに、なんの｣
｢それまでは分からん。なんせ、酷すぎる臭いじゃ。判別できる程、生易しいものではないわい。直接臭えば.......別の話じゃがな｣
｢そこは、どこに、あるんですか｣
｢ついてこい｣
ツカツカと、茶々丸が歩く度に床に爪が当たる音が響く。
クロウリーと茶々丸の足音しか、聞こえない。
監督生とグリムは遊びに行っているのか、部屋から物音は聞こえない。Aの部屋へと辿り着くあと少しの所で茶々丸が止まった。
茶々丸の前にある扉の右隣は、Aの部屋。
そこでは無い、空き部屋から、血の臭いがするというのか。
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sanos3568(プロフ) - なんとも言えない感じの、みんなが望むハッピーなエンドじゃない終わり方…!!!すごく新鮮で続きが欲しくなってしまいます (2021年1月10日 22時) (
レス) id: f4781f67b9 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 終わってしまっている！？え、大好きな作品だったのに。 (2021年1月10日 12時) (レス) id: 12d17130d4 (このIDを非表示/違反報告)
よる - ぉわ、終わｯ？！えぇ？！めちゃくちゃ好きな作品なのに！逆トリってあまり好きではなかったんですけどこの作品はとても面白くスラスラ読んでしまいました笑諸事情もあるかも知れませんがまた更新してくれる日をまってますね！ (2021年1月2日 14時) (レス) id: d830d551d8 (このIDを非表示/違反報告)
もろこしとう - 続きが気になります…。初期のほうから見ているものです。もう更新はしてくださらないのでしょうか…。作者様にもいろいろあるのかもしれませんが、個人的にとても好きな作品なので、またあなた様の作ったお話を読みたいです。待ってます。 (2020年11月30日 23時) (レス) id: 46812cc13c (このIDを非表示/違反報告)
夢唯(プロフ) - これはっ好きすぎるぅっ!!!!!!!!!! (2020年11月22日 3時) (レス) id: e7fe9bf464 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時：2020年8月21日 12時
