あやつり人形 ページ16
ポン
もくもくと破裂した後、両方の大きな手が現れた
次の瞬間、男を拘束していた帯がしゅるしゅると音を立て、男を解放する。
空中に現れたその手は糸を持っていて、Aの四肢に括り付ける。括り付けた糸は、浮いている大きな手の指先へと繋がっていた。ひとつ、指が上がればAの腕があがった。
まるであやつり人形を動かしているかのようだと錯覚してしまう。
｢なんや、その格好.......｣
真っ黒だった着物に、柄が浮かび上がる。クロウリーから貰った着物と瓜二つの着物を身につけ、桜と、クローバーを型どった簪。足が出ており、まるでカラスの羽のような文様が浮かび上がっている黒いソックス。
花魁のような高い高い下駄。
｢はっ、なんやその格好。吉原にでも出てきそうやなぁ。
あぁ、ここの学校のやつらに腰振って媚び売っとんたんか？淫乱なやつやなぁ！！｣
気がハッキリしてきたのか、先ほどとは打って変わってペラペラと話し出す男。
下卑た言葉に、その場にいた者全員が不快感を表す。
そんな言葉を気にもとめないとでも言いたいのか、無表情で見つめるA。
ポンポン
そう音を立て、上空で手が増える。
増えたては何かを持っておりそのまま地上へと降りてくる。手にしていた物は、ステージにカーテン、客席といった物。辺り一面が、まるで歌劇場のような作りへと変わっていく。客席と舞台の間にあるピットにオーケストラと指揮者が現れる。どれも顔がはっきりしない、黒い影のような存在だった。
｢.......作り変えられていく｣
ペタペタ
宝石の中で黒い何かが蠢く。
まるでここから出してと、叩いているよう。
宝石の様子から見てオーバーブロッドしきれていないA。それでも、ここら一面を作り変えれる程の力を発揮したA。本当にオーバーブロッドをすれば国ひとつが焼け野原になるどころか、ツイステッドワンダーランドが作り替えられるかもしれない。
｢何勝手なことしてくれとんねん。はよ行くで｣
そう言って男は、なんの躊躇いもなく魔法でAの足を吹っ飛ばす。Aの足から血がドバドバと流れ出て、地面に赤い血溜まりを作る。
｢A！！っ〜〜！？貴方何してるんですか！！！！！｣
｢オイ”何してんだよクソ野郎！！！！｣
クロウリーとフロイドのキンとした叫び声が響く。
しかし、男にとってはいつも通りの光景であり罪悪感など特に湧いてこなかった。
それどころか、悲鳴どころかうんともすんとも言わないAに面白味を感じないとキレ始める。
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sanos3568(プロフ) - なんとも言えない感じの、みんなが望むハッピーなエンドじゃない終わり方…!!!すごく新鮮で続きが欲しくなってしまいます (2021年1月10日 22時) (
レス) id: f4781f67b9 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 終わってしまっている！？え、大好きな作品だったのに。 (2021年1月10日 12時) (レス) id: 12d17130d4 (このIDを非表示/違反報告)
よる - ぉわ、終わｯ？！えぇ？！めちゃくちゃ好きな作品なのに！逆トリってあまり好きではなかったんですけどこの作品はとても面白くスラスラ読んでしまいました笑諸事情もあるかも知れませんがまた更新してくれる日をまってますね！ (2021年1月2日 14時) (レス) id: d830d551d8 (このIDを非表示/違反報告)
もろこしとう - 続きが気になります…。初期のほうから見ているものです。もう更新はしてくださらないのでしょうか…。作者様にもいろいろあるのかもしれませんが、個人的にとても好きな作品なので、またあなた様の作ったお話を読みたいです。待ってます。 (2020年11月30日 23時) (レス) id: 46812cc13c (このIDを非表示/違反報告)
夢唯(プロフ) - これはっ好きすぎるぅっ!!!!!!!!!! (2020年11月22日 3時) (レス) id: e7fe9bf464 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時：2020年8月21日 12時
