赤司先輩って…なんか…こう、苦手【赤司征十郎】

臆病 ページ25

赤司side


何をやっているんだ俺は…

屋上の扉が閉まるのを確認して、ストンと座り込む


泣いている彼女にはこれ以上俺の言葉も行動も、更に悲しませるものだと思った


いま彼女の側にいるべきは俺じゃない


彼女の想う人だ



まだ喋って１日も経たない俺が

彼女を抱きしめてしまった


これが彼女にどんなに辛い思いをさせたのだろうと考えると考えきれない


女心は難しいな。







ごめんなさい

途切れ途切れにそう言った彼女の言葉は今も俺の頭の中をループしている


何故彼女が謝る必要がある




なんて、結局は彼女の泣いている顔が見たくなくて飛び出してきただけじゃないか


俺は臆病だな…


それに彼女は俺に早坂がいると思っている


まずはこの誤解を解きたい


1年の女子に言って噂を立ててもらうか…



俺は未だ泣いている彼女の声を最後に、その場から立ち去った




彼女の言葉一つに動かされる俺はどうかしているのだろうか




葉山「あれ、赤司！」


赤司「あぁ、葉山か」


門の所で葉山に会った。

今はだいたい5時頃だろう、何をやっているんだ


実渕も根武谷も見当たらない


葉山「ちょっと忘れ物だよ。じゃーな！」


赤司「あぁ」

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