キモチワルイので切りますね【浦島坂田船】

借り ページ24

｢はぁ……｣




視界から完全に消える
少し緊張が溶けため息が漏れる

やっぱり人って苦手だ。。








さ｢あー、、緊張したぁ！！｣








何かが吹っ切れたように伸びをする
緊張してたのか


まぁ、当たり前だよな
入学して全く先輩達とは面識なかったみたいだし、、。







さ｢A大丈夫？怪我してない？｣







おずおずとこちらに気をかけてくる



｢助けてくれたのかなぁ｣なんて考えは隅の方に置いて
1つ借りを作ってしまった

だって、確実にこいつがいなければ今頃どうなってたか
いくら、相手が嫌いで拒否っても
結局は通してもらえるわけもない

増してや、相手は先輩だったし男、長身ときた

到底、後輩の女が勝てるわけがない








これからめんどくさいことになりそう……







さ｢そうだ！A！テストの事だけど｣




｢無理だから。｣







ほぼ半日無視し続け
答えは｢ＮＯ｣っとハッキリ言ったはずだ


それにもかかわらずまだお願いをするのか。








さ｢んー…………。あっ！そうだ！｣








頭を抱えていた顔が一気に明るくなる

なんだなんだ







さ｢僕さ、さっき先輩からAを助けたから！それのお返しって事でどう？｣







助けたからって……
初めてビビってたのに







借りを作ったのは事実だ
だがしかし、こんなやつに勉強を教える気にもなれない。

入学初日から毎日のようにクラスのやつらから距離を置いたんだ


周りからは、どう思われようと興味もないし

何か言われたからって｢辛い｣とかあんまり思わないのもほんと
だって｢辛い｣って思うよりも｢キモチワルイ｣って思う方がよっぽど嫌なのだ

でも、

でもだ。

助けてもらった。
こいつがいなければ今頃どうなってたか。

って言うのも事実で、

お返しって言い方は嫌になるが

借りを返すって言う考え方なら抵抗はない気もする
だって借りがあるのに返さないのはお世辞でも｢いいことだ｣とは言えない







人に迷惑をかけるな。
出来ることは自分でしろ
自分は自分他人は他人
自分が思うことを実行させろ



自分ルールなんて言ってしまったらダメだけど

だいたいこの４つを守って生きてきたつもりだ

16年間だいたいの事を守って来たんだから今頃守るのもな……








少し、抵抗はあるがしょうがない









｢わかった。いいよ｣

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