監督生のカントクセイ【ツイステ】

氷の蔦 ページ11

新たなユキノコが誕生して、学園に帰るにも帰れず家で過ごして数日。





「A・ネージュ様をお迎えに参りました。」

王都から使いが来た。

「A。寂しくなるけど私たちは貴女の事を決して忘れないわ。元気でいてね。」

sisterが私にそう言ってハグした。

「sister、育ててくれてありがとう。」

私もこの時は寂しかった。
だから声が震えていた。

学園で孤立してから唯一私を受け入れてくれた故郷と離れると思うのが辛かった。



..........あ。王都に行っちゃうんなら学園はどうなるのだろう。



「では、お乗り下さい。」

「またいつか。sister。」

使いに連れられ、馬車に乗る。

見送りに来ていた人たちが手を振る。

それも見えなくなり、パカパカと馬の足音が響く。



どうでもいいか。どうせ学園に戻ったって居場所はないのだから。




馬車に揺られ、やがて王都に着いた。

「ここが.....王都.....。」

初めて見た街の景色は故郷とは全く違った。

華やかで賑わいを持った過ごしやすい気候だった。

確か王都は四つの街の特徴が巡って訪れると言うから今は春の街の気候なのだろう。

そして私は城の中に通され、王様とご対面した。

「貴女が冬の街のユキノコ、だね？」

「はい。お初目にかかります、冬の街のユキノコでした。A・ネージュと申します。」

王様は威厳溢れるお方だった。
だが、温厚な方でもあった。

「ははっ、そんなにかしこまらなくてもよい。今までよく務めを果たしてくれた。感謝する。」

「大変恐縮です」



王様とそのような会話を交わしたあと、私は一つの綺麗な部屋に通された。

「こちらでお過ごしください」

連れてきてくれた女性がそう言った。

「うっっわ、こんな広い部屋独り占め.....！」

綺麗に整えられた広く白が象徴の部屋は私には勿体ないくらいだった。

「ふふ、こんな幸せなら学園になんて戻りたくないな。」

4人くらいが寝れそうな大きなベッドに横たわってそう呟いた。

「監督生のお世話なんて本当はしたくないもの。」

それはとめどなく溢れた。

「なんで私が監督生のそばに居なくちゃダメなの」

ポタ、

「なんで私が監督生の引き立て役なの。」

ポタポタ、

「なんで私が、男の子出いないといけなくて、監督生が女の子でいれるの。」

「ひどく、贔屓だ。」

ポタポタポタ、

「氷のように透明な心に侵食されてるヴィランども。まるでロイヤルソードアカデミーの人のようね」

部屋は氷に包まれた。

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