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ある日を境に2週間帰ってこなかった父親が色々な人を連れて家に帰って来た。

知らない顔が数人。そしてAが一番好きな太宰治がいた。


『治さん!』


父親よりも先に少女は太宰の方に駆け寄り抱きしめた。
当然太宰も抱きしめ返す。

「太宰くんと本当に仲が良くなったんだね。」

父親が言う。

『うん!1番好きだよ!』

少女の言葉に声を詰まらせる父親。
自分より好きな相手ができて心底嫌なのだろう。


「実に好かれておるの太宰。そなたがAかえ?」


凛とした女性が少女に向かって話しかける。
すると少女は久々の初めて見る人に怯え太宰の後ろへ隠れる。


「ほら、A。なんて言うの?この前僕が教えただろう?」


太宰が言うと少女は1歩前に出て女性に向かって挨拶をする。


『は、初めまして。萩原Aです。』


少女が言うと女性は少女に目線を合わせてしゃがむ。

「挨拶ができて偉いのう。(わっち)は尾崎紅葉じゃ」

にこりと笑う尾崎紅葉はとても綺麗な女性だと少女は思った。


「偉いねぇ。エリスちゃんにも会わせたい程だね。」


後ろにいた中年の男性は少女に向かって笑顔を向ける。
少女が困っていると太宰が男の招待を教える。


「この人は森鴎外。ロリコンだからあんまり近づいたら危ないよ。」


そう言いながら太宰が森を睨むと森は眉を八の字にする


「太宰くん。Aちゃんにあまり悪い印象を与えたら私変な人になってしまうよ。」

「実際そうでしょう。Aはまだ12だ。森さんの守備範囲だから心配なんだよ。」


「え!そうなの?!それはそれは!うふふ」

「鴎外殿。流石に止めよ。」


そんな会話をしていると萩原朔太郎は少女の方に近づき目線を合わせる。


「A。最近は会えなくてごめんね。これからは私が何でもしてあげるよ。」


何時もと違う父の言葉に少女は焦る。

『で、でも。お仕事があるでしょう?大変だから家には変えれないって・・・』

「そのお仕事がね。最近減ってきたんだよ。新しい首領がAのことを思って減らしてくれたんだ。」


首領?っと少女が問うと父親が森の方を指した
森は満面の笑みを浮かべる。

「この人だよ。だからね。これからはAと出来なかったことをいっぱいできるんだよ。」


普通の子供ならきっと嬉しくなるだろう。だが、この少女は、私は少し不安を覚えた。

そうなっては治さんと遊べなくなるのではないかっと。


私は不安な気持ちを残し治さんの方を見た。

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かるーあ(プロフ) - 初レス失礼します。いつも愛読させて頂いてます。スランプとか、やっぱりありますよね!私も一応作者なので解ります‼︎応援しながらのんびり更新待ってますね^^どうかご無理だけはなさらず! (8月7日 18時) (レス) @page20 id: 33aaf0fec0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朝はパン派 | 作成日時:2023年7月3日 5時

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