双子vs双子【宮侑】 (ページ5)

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次の日、教室に入って席に着くと、あかりがパタパタと走りよってきた。

「おはよ！A」

「おはよう……あかり」

　ざわ、と教室がざわめく。

「あかり、なんでそいつと喋ってん？」

「みんな、勘違いやって。Aはうちと同じ！」

　嫌味を言った子に、にっこりとあかりが笑いかけると、みんながなんとも言えない反応を見せた。

「て、ことは……」

「おん、彼氏は2次元におるわけ」

　あかりはきっぱりと言う。

　そして、小声で、「3次元を好きにならないとは言うてへんけどな」とわたしにだけ言った。

「な、宮くん。分かっててからかったんちゃう？」

　教室に入ってきたばかりの宮くんは、状況を理解していなかったけれど、あかりの肯定しろという圧に折れた。

「…………おん」

「な、みんな過剰に反応しすぎやで」

　宮くんが言うならと、みんながしぶしぶと言った様子で納得した。

　その出来事のおかげで、わたしは少しずつクラスに馴染めてきた。

　友達もあかり繋がりで少しずつ増えてきたし、宮くんと話してても何も言われなくなった。

　教室移動もあかりが一緒にしてくれるようになって、昼休みはわたしもめいもそれぞれ友達と食べることになった。