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待ちに待った放課後。
めいとは体育館で待ち合わせをしている。
「ちょお待ってや。俺も行く」
「なんで宮くんが着いてくるの？わたし女子バレー部だよ？」
「部室隣やし」
な、俺も一緒に行かせてや。
イケメンの宮くんにそう言われたら、断れないわけで。
「ま、良いけど……」
「おおきに」
けど、2人でこうやって教室を出るだけでまた文句を言われるわけで。
「Aはいつからバレーしてるん？」
「ん、小学校から。宮くんは？」
「俺はな……」
でも、ひとりで歩くよりはマシだった。
宮くんが隣にいるだけで、女子に絡まれることもないわけだし。
ひっそりと心の中でだけ、感謝した。
＊
女子バレー部は、やっぱり結構人がいた。
同じクラスの子が一人だけいて、最初は気まずかったけれど、休憩時間に話しかけてくれて、仲良くなれた。
「そのストラップ……限定版の……！！」
「え、まさか藤田さんも」
「そう！うちも持っとるの！！」
きゃあ、と盛り上がったわたしたちは、そのままオタク友達へと変化したのだ。
帰るころには、かなり仲良くなっていた。
「いやぁ、Aがこんなに面白い子だと思ってへんかったな。
……ごめんな、見て見ぬふりして。うち、友達にオタクおらんくて、理解してもらえんねん。だから、あんま仲良い子っておらんくて……それで、嫌われたくないって思って避けててん」
「そんな……あかりは悪くないよ。元はと言えば、わたしが出しゃばったのが、……いや、宮くんのせいだし」
そうやな、宮くんのせいや、とあかりは笑った。
「明日、絶対Aのこと助けたる。期待しててや」
「ごめんね……ありがとう」
怖かったらそのままでもいいからね、と言うと、そんな薄情なこと出来ひん！とあかりは強気だった。
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作者名：ビール瓶 | 作成日時：2021年8月10日 19時
