じゅうはち ページ20
「……あの子、帰ったかな……」
勇次郎がぽつり、マネージャーの車の中でそう呟いた
寝ぼけているのだろうか、瞳を閉じてもぞもぞと寝やすい体制を模索していた
こんなグルグル動く車中で座ったまま寝られるなんて器用なやつだ
寝ている時だけに見られる大人しい勇次郎の顔を見て息をつく
愛蔵は不服ながらも勇次郎の事をよく考えている
名家に生まれその道に辿ろうと育てられたかと思えば努力が開花されることはなく
叶えたい夢も良い顔はされず家族と同じ屋根の下にすら住んでいない
そんな複雑な人生を歩んでいる勇次郎に愛蔵は同情していたのだ
愛蔵だって今まで楽な道は辿れなかった
けれど家庭環境など言い訳にせず諦めなかった結果掴んだ今の居場所
かけがえのないものだ
揺るがせたくないという勇次郎の気持ちは痛いほどわかるが……
「(あそこまで露骨に嫌がると、傷つくだろ)」
勇次郎と榊が話していた所を愛蔵は見ていた
懲りないよな、あいつも
深い仲になる必要は無いと言いながらも諦めない榊も、なんだかんだ気にかけてるこいつも不憫だと愛蔵は思った
いっその事破談にしてしまえばいいのに
この2人では合わないものが多すぎるのだ
求めているものが食い違うからイザコザが起きる
幼少期に自宅の2階で大声で己の慨嘆を吐露する両親の事が頭にチラついた
1階に我が子が居るにも関わらず、夕食だって用意せず放ったらかしで
最初こそどうして喧嘩するの？そんなに喧嘩するならどうして結婚なんてしたの？と思っていたが
最終的には早く離婚してしまえと思っていた
もう昔のように仲良くなるのは無理だと思ったからだ
「(勇次郎たちも、あいつらみたいに……)」
お互いの合わないところをぶつけ合って、身内に迷惑をかけ出すのだろうか
そこまで考えてはっ、と気がつく
先入観に囚われすぎだ
榊はそんな奴じゃ無さそうだし勇次郎だって……
そこでこの間新人のアイドルに厳しい言葉をかけていた光景を思い出す
……いや有り得るな
でも性根は悪いやつじゃないしよく笑うから大丈夫か
…………なんで俺がここまでこいつの為に考えなくちゃいけねえんだ……？
ふと我に返り愛蔵はくしゃ、と頭をかいた
どうなるかなんて誰にも分からない
考えるだけ無駄だ
目的地のスタジオに着いた、とマネージャーに言われ愛蔵はしぶしぶ相方を起こすのだった
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메이 - めっちゃ面白い…続きが見れるまで毎日見ます (2022年12月8日 21時) (
レス) @page24 id: 36c85dd659 (このIDを非表示/違反報告)
コナミ - 更新、死ぬほど楽しみにしてます！ (2021年4月18日 4時) (レス) id: 80df884d08 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ(プロフ) - まかろんさん» うきゃぁ！嬉しいです！最近お話かけ持ちしすぎて更新が疎かになっていること…まじで申し訳なさすぎて禿げそうです(白目)うおおおお頑張ります！ありがとうございます！！ (2020年5月3日 12時) (レス) id: babb449235 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - あ〜神だわ好きです(唐突な告白)更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年5月3日 4時) (レス) id: 349227220e (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ(プロフ) - サクラ?さん» サクラ？さんんんん！！！こんな駄作まで見てくださって本当に本当にありがとうございます！！！(´；ω；｀)コメントもいっぱいくださって励みになっております！！嬉しすぎて笑みが止まりません！本当にありがとうございます！！！更新頑張ります！ (2020年1月25日 11時) (レス) id: babb449235 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーダ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年1月19日 19時
