勇次郎くんの許嫁『染谷勇次郎』

じゅうろく ページ18

｢Aちゃん！しっかりして！｣


｢ひよりちゃん.......今までありがとう.....私はもう.......｣


｢そんなこと！そんなこと言わないで！きっと.......きっと大丈夫だから......！｣


｢いいえ.......もう.......おしまいなんです.......｣


｢Aちゃぁぁぁぁあん！！！｣








｢茶番挟めるくらいなら無事だね。僕もう帰っていい？｣


｢すみません、ジョークです。9割分かっていますが一応聞きますね。御気分いかが？｣


｢愛蔵に背を抜かされた時に感じた殺意と僕のプリン食べられた時の憎悪を混ぜて2倍にした感じ｣


｢それは.......すみません｣





今この文面をみている方々は私たちの情景が浮かばれなく、ハテナマークを浮かべているところでしょう


時は放課後、掃除時間


図書室の掃除を請け負った私たちもとい勇次郎さん、私、ひよりちゃん、愛蔵さんは掃除に励んでおります


けれど積まれていたプリントの端で指を切ってしまい、冒頭へ戻る




｢涼海も涼海だろ。お前自分の立場自覚してんの？｣


｢.....ぐっ......わ、分かってます.....すみませぇん...｣


｢立場....？学生であるひよりちゃんになんの立場があるって言うのですか愛蔵くん！｣


｢こっちにも色々あんだよ！あぁもういちいち彫ってくんなよ面倒くせえ！｣


｢納得いきません！裁判です！｣


｢知るか！｣



愛蔵くん本性表すなり口が悪いんじゃなくって！？

私が勇次郎さんの許嫁って事知ったら顔がころりと変わったもの.......






｢ひよりちゃん......なにか脅されているのなら私におしゃってくださいな......社会的なら任せてください......｣


｢.......待ってお前が言うとマジで怖いやめて｣


｢勇次郎さんが言うのならやめましょう｣




整理途中のプリントをファイリングし、箒を手に取るとがし、と勇次郎さんに手を掴まれた




｢っ、.....な、なにか？？？｣

｢血、出てんじゃん｣




先程から少しひりつくと思ってはいたが矢張り血が出ていた


でもいきなり手を掴むのはちょこっとびっくりしました.......




｢ちょっと、お前アイドルだろ。絆創膏の1つも持ってないわけ｣

｢いやお前もアイドルだろうが.......ったく.......｣

｢涼海は｣

｢うちは.......................ごめん｣



なんて分かりやすく萎れるの、ひよりちゃん

可愛らしい






｢いいんです、ひよりちゃん。その心が嬉しいの｣

｢A.......ちゃん.......｣

｢ひよりちゃん.......｣

｢Aちゃんんん！！｣




｢｢いい加減にしろ！！｣｣

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