73話 ページ25
「遊園地だ……!」
目の前にそびえ立つ『welcome』と書かれた大きな看板がキラキラと光って見える。遠くには観覧車の頭が見えて、私の心を弾ませた。
遊園地なんて久しぶり。
私の家は地方だったから遊園地のような大きな遊び場はなかったのだ。強いて言うならショボイ水族館ならあった。
早速、入園する。子供みたいにキョロキョロ辺りを見渡してはしゃいぐ私を見て、ドス君は楽しそうに目を細めた。
マップを手に、まずはどのアトラクションに乗ろうかと悩んでいると、広場にこの遊園地の看板キャラクターの着ぐるみが子供達と写真を撮っていた。
どうやらその看板キャラクターモチーフの付け耳や服も売っているらしい。
折角ならお揃いで付け耳カチューシャを付けてたい!
「ドス君!耳付けよう、耳!カチューシャ!」
「耳……ですか?」
「うん!ほら、キャラクターの耳カチューシャ売ってるみたいだから一緒に付けたいなぁって」
周りを行き交う人達のほとんどは耳カチューシャを付けている。猫耳だったり、うさ耳だったり種類は様々だ。
イメージとしてはディズニーみたいな感じ。
お土産屋さんに向かって、カチューシャを探す。ドス君には何が似合うかと色々探して、試しに近くにあった物を付けてもらう。
「え、待ってめっちゃ可愛い……」
なんとドス君は耳カチューシャが恐ろしく似合ってしまったのだ!!
可愛すぎて心臓がはち切れそう……思いもよらないカウンターをくらってしまった……
他の種類の耳も付けてもらったが、どれも恐ろしく可愛い。可愛すぎて直視できない。何だこの生き物は!?
「何でそんなに似合うの?可愛すぎない?」
「そうですか?」
そう言って頭についた耳を弄るドス君。その仕草も可愛い。もはやその姿が暴力的すぎて可愛いしか言えなくなっている。
他にはどんな耳があるだろうかと吟味していると、頭に何かをはめられる感覚がした。
咄嗟に顔を上げるとドス君がカチューシャを私に付けていた。
「お揃いで付けるんでしょう?」
鏡を向けられ、そこに映っていたのは今ドス君がつけている物と同じ猫耳のカチューシャ。
ドス君は優しく微笑んで、
「可愛いですよ、Aさん」
「…………ずるい……格好良すぎる、好き……」
そんな顔でそんな事言われたら、困ってしまう。
こんな経験ない私には、照れ隠しで顔を背けるしか出来なかった。
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食塩水(プロフ) - 名前さん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!優しいお言葉、身に染みます…これからも不定期更新ではありますが、あんなにお待たせしないように書き進めていきたいと思います! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - まやさん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!これからはあんなにお待たせする事がないように書き進めていきたいと思います…! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - あやめさん» 更新お待たせ致しました…!2ページ"も"と捉えて頂けてありがたいです!自己満足な作品ではありますが少しでも楽しんで頂けるよう、もっと更新出来るように頑張りますね! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 更新されてる……ありがとうこざいまああす!これからも作者さんのペースで頑張ってください!楽しみに待ってます!! (2020年6月14日 21時) (レス) id: 6e285a92e8 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新ありがとうございます!!これからも更新待ってます!頑張ってください!!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
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