66話 ページ18
断っても引き下がる事は無さそうなので、私が折れることにした。
実際夜遅く出歩いて、露西亜で通り魔に襲われた事あるし……ヨコハマなんて更に治安悪いし送って貰った方が安全なのは否めない。
敦くんとバイバイして、倉庫を出る。
あ、その前にドス君にメールしておこう。
「今から帰るよ」くらいは知らせておかないと。
「ところで、Aちゃんは異能力を見たがっていたけれど、実際に敦くんの虎を見てどうだった?」
「普通に格好良いなあって思いました」
太宰さんは、喫茶うずまきでの会話を覚えていたらしい。
もしかして、だから私を此処に連れてきてくれたのかな?だとしたらめっちゃイケメンじゃん好き。
密かに太宰さんの好感度が上がってしまう。
「随分と異能力を見る事に執着していたようだけど、何かきっかけでもあるの?」
「え」
太宰さんはこういう鋭い質問をしてくる。本当に憎いくらい頭が切れる人だ。
でも、『推しの異能力を使うところが見たかった』なんて言えない!無理!そんな事言ったら私の命は散ってしまう!
あまり返答に詰まっていると、かえって怪しまれるかもしれない。太宰さんそういうところあるから……元最少年幹部だから……
「た、ただの興味本位ですよ!えっと、実は知り合いに異能力者がいて、その人以外の異能力者の能力って気になっちゃって……!」
わたわたと身振り手振りしながら説明する。
咄嗟の言い訳にしては中々いいんじゃないか?やれば出来る子。
「へぇ、そう……因みにその人の異能って、人に害を与える物だったりする?」
「え?全然そんな事無いですけど……」
一瞬視線を鋭くして問いかける太宰さん。ピンポイントな質問だから思い当たる人でもいるのかと思ったけど、私は名前を口にしていないし、それらしいヒントになる事も言っていない。
じゃあどうして?
その時、前方から私の大好きな声がした。
「夜遊びですか?Aさん」
「ドス君!」
そこには笑みを浮かべるドス君が居た。パタパタと駆け寄るとしっかりと受け止めてくれた。紳士かよ好き……
「おや、お迎えかい?君が随分と丸くなったものだ」
「ええ、彼女を迎えに来たのです。なので貴方はもう帰って結構ですよ」
「これは手厳しいね」
太宰さんが挑発するように鼻で笑いながらドス君に話しかける。ドス君もそれをサラリと受け流すからギスギスした空気が漂う。
……え、何?二人は知り合いなの?
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食塩水(プロフ) - 名前さん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!優しいお言葉、身に染みます…これからも不定期更新ではありますが、あんなにお待たせしないように書き進めていきたいと思います! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - まやさん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!これからはあんなにお待たせする事がないように書き進めていきたいと思います…! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - あやめさん» 更新お待たせ致しました…!2ページ"も"と捉えて頂けてありがたいです!自己満足な作品ではありますが少しでも楽しんで頂けるよう、もっと更新出来るように頑張りますね! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 更新されてる……ありがとうこざいまああす!これからも作者さんのペースで頑張ってください!楽しみに待ってます!! (2020年6月14日 21時) (レス) id: 6e285a92e8 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新ありがとうございます!!これからも更新待ってます!頑張ってください!!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
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