59話 ページ11
カランカラン。
お客様が来店した合図のベルが鳴る。私は今日もアルバイト。
「いらっしゃいませ」と定番の挨拶をすると、そこには谷崎兄妹がいた。
えっ何あの美男美女。マジで兄妹か疑うんですけど。
二人はアニメで見た通りかなり距離が近い。というか腕組んでる。もはやあれがデフォルトなんだろうな。
もっと二人を眺めていたい気持ちはあったが、仕事はしなければ。テーブルにお冷を持っていく。
「ご注文お決まりでしたらお呼びください」
「はい。……あら?もしかして貴女、太宰さんが仰っていた方では?」
「え?太宰さん、何か言ってたんですか?」
お冷と共に定番句を言うと、艶々な黒髪のセーラー服の美少女ナオミちゃんが驚くべき言葉を告げる。
太宰さん何言ったの?悪口とか言ってないよね?
「ええ。国木田さんがボールペンを贈る程気に入った女の子だと社内で揶揄っていましたわ」
「あー、あの人ならやりそう……」
「後、是非心中して欲しいとも」
「それ断っておいてもらっていいですか?」
真顔で頼む私に、クスクスと笑うナオミちゃん。
えっめっちゃ笑顔可愛い……すき……
ナオミちゃんは話を続けようとして顔を上げると、「あっ」という表情をした。何かと思って私もその方向を向くと、
「まあまあそう言わずに。私は今からでも心中してもいいんだけどね?」
「えっ太宰さん!?お仕事は……?」
「国木田君に任せてきた」
「国木田さん可哀想……」
多分谷崎兄妹もそう思っているのだろう、憐れみの顔をしていた。
ドンマイです国木田さん。
太宰さんはさも当然のように兄妹が居るテーブルに座り、注文してくる。
「谷崎君も来ていたんだね」
「はい。休憩に此処の珈琲が飲みたくて」
「私もだよ。……ああ、Aちゃんは多分初めましてだよね?彼は谷崎潤一郎君。そして妹のナオミちゃんだ」
「宜しくお願いします」と一緒にお辞儀する。
いや見れば見るほど美男美女だな。兄妹揃って美人なんて羨ましい。
谷崎君が私の顔を見て尋ねる。
「Aちゃんは僕達と歳はそこまで変わらないように見えるけど、学校には通ってないの?」
「はい。学校には行ってません」
「何故ですか?」
「何故って言われると……ちょっと説明が難しいんですけど」
谷崎君の質問に応えると、立て続けにナオミちゃんが聞いてくる。
そういえばこういう時どうやって誤魔化せばいいんだ?異世界から来たなんてちょっと言い難いし……
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食塩水(プロフ) - 名前さん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!優しいお言葉、身に染みます…これからも不定期更新ではありますが、あんなにお待たせしないように書き進めていきたいと思います! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - まやさん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!これからはあんなにお待たせする事がないように書き進めていきたいと思います…! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - あやめさん» 更新お待たせ致しました…!2ページ"も"と捉えて頂けてありがたいです!自己満足な作品ではありますが少しでも楽しんで頂けるよう、もっと更新出来るように頑張りますね! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 更新されてる……ありがとうこざいまああす!これからも作者さんのペースで頑張ってください!楽しみに待ってます!! (2020年6月14日 21時) (レス) id: 6e285a92e8 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新ありがとうございます!!これからも更新待ってます!頑張ってください!!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
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