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75、進行形の話 ページ35




「いいぞ、やれよ」


死にかけていると云うのに五百雀は余裕の表情で、楽しげに、安堵を浮かべ、口を開く





ずっと







『お前の声、黒板を掻く音より不快です』


体重を乗せてより刃を食い込ませる



五百雀の首に


_________________________




見慣れぬ風景が、一瞬にして過ぎる


無人の車内で響く、不規則なリズムが逆に心地よい



先日の騒乱でほとんどが外出を避け、偶にしか座る場所を確保できない都会の電車とは考えられない


街の復興に臨む者や、荒れ果てた街を好奇の対象としてみる不届者のみの屋外で、電車が動いていることが奇跡である


「次は__駅、__駅です」


Aの、降りる駅だ









武装探偵社事務所


Aはパソコンの画面を見て頭を悩ませる。珍しく電子書面(メール)が届いていたので開いたは良いものの、認めたくないが、想像し得る中で最も嫌な奴( 五百雀 )から届いていた


番号が分かった疑問よりも、憎悪が頭を埋め尽くす


「〇〇工場」


内容はこれだけ


しかも確認した数秒後に削除されるという徹底ぶり。パソコンに電気を流しそうになったが堪えた。手に爪を立てるくらいには努力して堪えた

流石に備品を私情で壊せない



当然、数十分間無視して方々走り回った




色々あって失念しそうだが、現在進行形で戦争真っ只中


敦は、谷崎の運転する異能特務課の超小型強襲機『夜鳥(とがらす)』に乗り白鯨に単独潜入中


鏡花は危険異能者を隔離する無人機にて拘束中


太宰は安吾のお見舞い?取引?に向かっている



他社員も多忙を極めている


『戻りました』

「おかえりなさい」


外から戻ったAを賢治が温かく迎え入れる。真っ直ぐ座席に進み再度パソコンを開いた


電子書面は届いていなかった

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作者名:瑠風 | 作成日時:2022年5月10日 3時

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