*騎士の優しさというもの ページ17
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「ともあれ、Aちゃん!」
「は、はい…っ?」
ガシ、と勢いよく鳴上くんに肩を掴まれる。
「辛くなったら、いつでもアタシの胸を使ってちょうだい。あなたを抱きしめて、受け止めることはできるから。
言いたくなかったら話さなくていい。相談に乗ってほしいならいつでも乗るわ。だけど、これだけは覚えておいて…?」
鳴上くんは真剣な眼差しで私の瞳を見つめた。
「___アタシは、いつでもあなたの味方よ?」
「……!」
言葉にできない思いが、涙として瞳から次々と溢れ出た。
「っ、あれ……なんで、私…」
必死に止めようとしても、涙は止まってはくれない。
「おかしいな…ははッ…ご、ごめんね、鳴上く___」
そう言いかけた時、ふわりと、あたたかい温もりに包まれた。
「え…っ?」
慌てて状況を理解しようと頭を働かせる。
___鳴上くんが、私を抱きすくめていた。
「な、なななな…!?」
突然のことにパニックに陥る私を無視して、鳴上くんはより強く、私を抱く手に力を込める。
「…あなたの泣いている顔を見てるのが、私にとって一番辛いのよっ…」
その声はどこか震えていた。
(……鳴上くん…)
私のためにここまで思ってくれる鳴上くんの優しさに、思わずときめいてしまう。
鳴上くんは、震える声で続けた。
「あなたはこの華奢な体で、多くのアイドルを支えているわ。だけど、たまに心配になるのよ、「あの子、無理してるんじゃないかしら」って」
「ダメだと分かっているけど、どうしてもお節介しちゃう。お節介してあげたくなっちゃうのよね、あなたって……」
「な、鳴上くん……」
それは私が子どもっぽいと言うことでしょうか…。
い、いやいや!!何もそこまで言ってないもんね!?
「だから、一人で抱え込まないで。些細なことでもいいから、アタシやほかの人に相談して!いいわね!」
ズン、と顔を近づけてくる鳴上くん。
少し引きつった顔で、私は「は、はい…!」と返事をした。
「ん。いい子ね!そんないい子にはご褒美よ♪」
そう言い、鳴上くんはブレザーのポケットから一粒の飴を取り出した。
(これって、絶対に……)
「こ、子ども扱いしてますよねっ!?」
「やだぁ〜、そんなことある訳ないじゃなぁい♪」
「い、いや…!絶対してる…!!」
私と鳴上くんの影が、夕日の照らされた図書室の床にくっきりと浮かんでいた___
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aya - 続編も楽しみです(*/▽\*) (2018年10月11日 17時) (レス) id: 8ea3c89cfc (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - マド姉可愛いもんね!分かる!!んでもって葉月ちゃん可愛すぎる(真顔) (2018年9月15日 23時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
恋@AI(プロフ) - SAKURA♪さん» コメントありがとうございます!ご期待に答えられるように日々精進していきたいです、これからもよろしくお願いします!! (2018年2月4日 16時) (レス) id: 459c302e28 (このIDを非表示/違反報告)
恋@AI(プロフ) - ゆーゆさん» コメントありがとうございます!なんかハッピーエンドものにしたかったもので…そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年2月4日 16時) (レス) id: 459c302e28 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA♪ - 逆ハー最高!!!ヒャッハーー!!! 次を、楽しみにしています!! がんばってください!! (2018年1月31日 20時) (レス) id: 497d452f2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@AI | 作成日時:2017年4月21日 7時