ある日、田舎男がアイドルに連れ去られた話。【あんスタ】

gambler. ページ32

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「朝から疲れた………」









身なりを整えた俺は、ESに向かっていた。
今日は寮でゆっくり休んでいいと言われたけど、なぜか落ち着かなくって、結局出てきてしまった。

目の前に聳えるESは何度見ても迫力ある。
俺は中に入ると、食堂の方へ真っ先に歩いていく。









ニキさんいるかなあ、と覗いて見たら、やっぱりいた。エプロンを身につけて、朝から働いている。









「ニキさん、おはようございます！」

「あっ、Aくん！！おはよーございますっ！」

「俺もなんか頼んでいいですか？」

「どぞどそ！あっ券売機向こうなんで！！Aくんまだホールハンズ貰ってませんでしたよね？」

「はい、ありがとうございます！」









ニキさんに券売機の方に案内されて、俺は券売機の前に立つ。ハンバーグも美味しそうだし、とんかつ定食も美味しそう、あ、メンチカツもある。

どれにしようか迷っていると、肩に手が置かれた。









「よォ、なに見てんの？」

「ぎ、ギャアアアアアアッ！！！？」

「ぎゃはは！おに〜さん、朝っぱらから元気だねえ！」









俺、ここに来て絶対に数年分の声量は使い果たしてる。絶対。なんで朝ならこんなに叫ばなきゃならないのか。誰か教えてくれ。









「あ、あんた誰……！」

「俺っち？俺っちの名前聞きたいの？」

「いや、別に……」

「天城燐音、よォくそのちっちゃい脳みそに俺っちの名前刻み込んどけよォ」

「大してあんたの脳みそと変わらないと思うのですが………」

「ぎゃはは！面白いこと言うなァ、おにーさん！」









こちとら何も面白くないわ。

俺が券売機の前で不良っぽい彼に絡まれていると、ニキさんが向こうから走ってきた。









「ちょっとちょっと、燐音くん〜！
Aくんに絡まないでくださいよ〜！」

「おいニキ、お前俺っちに内緒でこんな面白いおにーさんと仲良くしてたのかよォ」

「えっこれ僕が悪いんすか〜！？」









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