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＊エルン=通貨 1エルン=1ドル
−−−−−
隣を歩く男は冷ややかな視線も気にしないと言わんばかりに私の隣を陣取っている。いつもはウザい程客引きしてくる露天の店主共でさえその男の存在感に一切声をかけてこないことだけは嬉しいことだけど。
緑色のパーカーを着た男は辺りを興味津々に見詰めながらも、つんつんと私の腕を突いて耳打ちしてくる。
「ここらへんの物価やばない？水が五十エルンとかぼったくり過ぎやろ」
「……エルンって何？」
「は？…………お金。お前が持ってる奴一枚が一エルン」
「へぇ、これってエルンって言うんだ。枚数でしか呼んだことないから知らなかった」
知らない言葉に思わず聞いてみれば、一瞬戸惑ったような顔をするもののちゃんと教えてくれた。
つまり私は今三十エルン持ってるということになる。初めて知る言葉に思わず興味深そうに眺める。
「表通りで買おうとか思わんの？そっちのが安いで」
「そっちは何も答えないのに質問攻め？」
「……確かにそれもそうやな！何聞きたいん？」
「なんで着いてくるの」
「大先生がジョセイは大事にしろって言ってたから」
大先生って単語、聞いたことあるなぁ。確かコネシマさんが大先生から私のことを聞いたとかなんとか言ってた気がする。少し前のことだしぽろっと言っていただけだから正しいかどうかは分からないけど。そう思って、
「確かコネシマさんも大先生って言ってたかな……」
「シッマのこと知っとるん？じゃあ俺の名前も教えるわぁ！俺な、ゾムって言うねん。アンタは？」
どうやら正しいと証明してしまったようだ。
彼の名前を知るとなんだか厄介事に巻き込まれるような気がした。だってさっきまで裏路地で男を血塗れにしていたんだぞ。……まぁここで教えないというのも別の厄介事に巻き込まれそうだし、私は何も無くすものは無いから良いんだけど。
「A」
「A？…………、聞いたことあるわなんやったっけ、忘れてもうた。顔見たことあったら覚えてんねんけど、ハジメテやもんな」
「そうだねぇ」
そんな話をながら私はゾムと名乗った男の顔を見る。相変わらず目元は暗くて見え辛いけど。
私は今、寮とは違う道に入った。寮の場所は裏路地に住んでる人間なら誰でも知っているが、この道は通らない。彼がそれについて何も言及しないということは、私が寮住みであることはおろか、寮の位置すら知らないということだ。そんな怪しい男を寮まで連れて帰るわけにはいかない。
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闇ちょこ(プロフ) - 白尾…会社……？？えっっ…アッ、やめときますね！！((マフィアのイメージとか世界観が他の作品と全然違うので、新鮮でとても面白かったです！！完結おめでとうございます…！！ (2021年4月7日 13時) (
レス) id: c4d9600a7c (このIDを非表示/違反報告)
なのな(プロフ) - 完結本当におめでとうございます！お疲れ様です！ランドルせさんの長編小説ということで新鮮な気持ちでドキドキしながら読ませて頂きました。相変わらずとても内容が濃くて面白かったです……！！これからも期待しています！！頑張ってください！！！ (2021年4月6日 20時) (レス) id: cb0e93c590 (このIDを非表示/違反報告)
ランドルせ(プロフ) - ぴざるさん» 好みって言われるの嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年3月28日 8時) (レス) id: 29ab01aaa3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴざる(プロフ) - うぐっ…神作品に出合ってしまった…めっちゃ好みです更新頑張ってください (2021年3月28日 7時) (レス) id: 8f43ba0ff3 (このIDを非表示/違反報告)
ランドルせ(プロフ) - 雨音さん» コメントありがとうございます！ゆっくりめの更新になっていますが完結まで走りきろうと思いますのでよろしくお願いします！ (2021年3月20日 13時) (レス) id: 29ab01aaa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランドルせ
| 作成日時：2021年3月4日 19時
