幼馴染み ４８ ページ49
貴「ねぇ、みんな」
私は泣いている部員達に話しかけた。
涙が溜まった瞳に私が映る。
貴「負けちゃったけどさ。悔いはある？」
全「「…ないです」」
貴「だったら良いじゃん。全力出したんでしょ？
全力出したけど負けちゃったんでしょ？」
再び、大粒の涙を腕で拭う部員。
私は微笑んで言い放った。
貴「そんな貴方達がカッコよかった」
五「…うっ…」
貴「涙が出るのは、全力だった証拠。
私は、そんな貴方達が本当に大好きよ」
五色と白布が堪えきれない嗚咽を出しながら
大粒の涙を拭いた。
貴「もう私達は終わっちゃったけどさ、
２年と１年は、まだ有るんだから。
応援に来た３年を今度は喜ばせてよ。
『私達の後輩だよ』って自信持って言える様に」
五「…はいっ」
五色の後に、白布も川西もコクリと頷く。
辛いだろう。苦しいだろう。
私達の代で全国出場の連続が途切れたのだから。
でもね、若利達そんなこと気にしないのよ。
ただ、負けたのが悔しいだけなのよ。
当分ボールに触れないのが苦しいだけなのよ。
貴「…さぁ、表彰式始まるから準備しよっか」
私は全員の頭を撫で、唇を噛み締めながら
アイスボックスにソポドリを入れ始めた。
若「…幸」
貴「ん？」
表彰式を終えた私達は、
バスに乗って白鳥沢学園に帰って来た。
綺麗な夕日が少し眩しい。
若「すまなかった」
貴「…なんで謝るの」
若「【絶対に勝つ】と嘘をついた」
『情けなかった』と、俯いて話す若利。
私は肩に掛けていたアイスボックスを
ドカッ！とアスファルトの上に置く。
貴「情けないって言った！？」
若「…っ」
貴「あれの何処が嘘なのよ！
私は若利達のプレーを見てカッコいいと思った！
全力出してコートの中に立つ姿が
凄くカッコよかった！」
今度はボロボロと私の頬に涙が流れる。
あぁ、ダメだ。堰が切れた。
貴「若利の全力を！白鳥沢の全力を！
【情けない】っていう言葉で片付けないで！」
一度、全国に行けなかったくらいで。
そんな事に、情けないという言葉は似合わない。
全てが思い通りになると思ったら大間違い。
若「…」
若利は、少し顔を歪ませながら
ツカツカと歩み寄り、私を包み込んだ。
若「…少しだけ、肩を借りても良いか」
貴「……良いよ」
若「ありがとう」
夕日に照らされたアスファルトの上。
その夕日の光は、泣いている２人にとって、
とても眩しかった。
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ぱすた。(プロフ) - すみません！途中から合ってましたね、、、。 (2018年7月1日 10時) (
レス) id: 7b1bde7552 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすた。(プロフ) - 突然にすみません。鷹匠監督とありますが、鷲匠監督ではないでしょうか、、。こちらが間違っていたら申し訳ありません。とても面白いです。評価もさせていただきました！！ (2018年6月30日 21時) (レス) id: 7b1bde7552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおぴー | 作成日時：2017年11月12日 9時
