検索窓
今日:17 hit、昨日:9 hit、合計:131,930 hit

幼馴染み 44 ページ45

若「幸」

貴「ん?」

若「行ってくる」

貴「行ってらっしゃい」



幸は少し緊張している若利の頭を

ゆっくりと優しく撫でる。

少しは解れただろうか。

若利はジャージを羽織り、歩き出した。



貴 ( 頑張れ )



幸は、応援することしかできない。

いくら側にいたって、いくら飲み物を渡したって

試合をするのは若利達。


それが、幸にとっては少しだけ羨ましかった。


幸は、こんな事思っても仕方ない。と、

頬をパチンと叩き、若利達の後ろを歩いていった。






「おい、あれって白鳥沢だよな」

「うわ…すげぇ迫力」

「絶対王者って感じ」



若利を始めとした白鳥沢のメンバーが歩くと

周りの観客がザワザワと騒がしくなった。

王者という品格、そして迫力が圧倒している。


若利達は、そんな事気にせず、

体育館のドアを開けた。


暗い廊下から明るい場所へと入ると、

若利は一瞬だけ目を細めた。


白鳥沢の在校生が盛り上がる中、

烏野からの視線が痛い。



澤「来たぞ」

日「…うぉぉ」



若利達はジャージを脱ぎ、コートの中に入った。

烏野は、様子を見るように此方を伺う。



貴「…鷲匠さん」

鷲「なんだ」

貴「この試合。勝ったとしても負けたとしても
私は誇りに思います」

鷲「そうだな」

貴「顔色を見る限り、全員のコンデションは万全。
あとは、実力のみですから」

鷲「あぁ」



腕を組みながら座る鷲匠。

その隣に立つ幸は、何処か悲しげだ。



鷲「部活を辞めた事を後悔しているか?」

貴「してはいません。…ただ」



幸は鷲匠を見ずに答える。



貴「少しだけ、若利達が羨ましい」

鷲「…」

貴「出来るなら男になって、コートに入りたい。
勝つ事を目標にして、センターコートの中に」



幸は思う。

若利達とのバレーはどれ程楽しいか。


若利のボールが床に叩きつけられる音。

瀬見や白布によって来る、ボールの感触。

打ったスパイクを拾う大平達。

心を読み取りブロックをする覚。


その全てに、スポットライトが浴びせられる。



貴「私も、主役になりたかった」

鷲「はんっ。お前の人生の主人公はお前だろうが」

貴「…ふふっ、それもそうですね」



さすが鷲匠。言う事にも説得力がある。

幸は、ボールを打つ若利達を眺めた。



貴( センターコートが良く似合う )



額に薄っすらと汗の様子。

それが綺麗に輝いて、幸は目を細めた。

幼馴染み 45→←幼馴染み 43



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
93人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぱすた。(プロフ) - すみません!途中から合ってましたね、、、。 (2018年7月1日 10時) (レス) id: 7b1bde7552 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすた。(プロフ) - 突然にすみません。鷹匠監督とありますが、鷲匠監督ではないでしょうか、、。こちらが間違っていたら申し訳ありません。とても面白いです。評価もさせていただきました!! (2018年6月30日 21時) (レス) id: 7b1bde7552 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かおぴー | 作成日時:2017年11月12日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。