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プウ、とロールが不満そうに声を上げる。そう訴えられても……。どうしようかと悩んでいれば、耳聡いリボーンが僕に声をかけた。
「こっちに来てからまともに寝てねーんだ。今日くらい寝とけ」
「そう言われてもね」
「ヒバリの近くなら少しは気が楽だろ？」
ニッと笑うリボーン。その通りだけどさ。その言い方、なんだか嫌だな。
視線を落とすと、腕の中でヒバードとロールが僕を見上げている。寝るの、と問いかけていそうなその目に、白旗を上げて足を進めた。
足音を殺して、ヒバリさんに近付く。ヒバリさんのすぐそばにロールとヒバードを降ろしてやって、それから少し距離を取ろうとすれば、手首を掴まれた。
薄らと開いた目と搗ち合って、起こす気はなかったんですよ、と呟く。
「……寝るの」
「え、……まあ、少しだけ」
「そう」
そのままヒバリさんは目を閉じてしまった。掴まれた手首は離される気配がない。どうしたものかと困り果ててしまって、仕方がないから外そうとそっと手を添えたとき、ロールとヒバードがまた動き出して、手に擦り寄るように陣取る。
そうされると全く身動きが取れなくなるの、この子たちは分かってるのかな？深いため息をついて、寝転んだ。虎視眈々と機会を窺っていた睡魔がすぐさま襲いかかってくる。
閉じかけている目で、なんとなくヒバリさんを見た。穏やかに寝息を立てている様子に誘われるように、目が閉じていく。手首にあった熱が移動して手の甲に重ねられたのは微かに感じていた。
＊＊＊
明け方になって、ハッと目を覚ました。まだ誰も起きていない、少し空の端が明るくなってきた時間帯。ロールは炎切れを起こしたのか、匣に戻っていた。ヒバードだけが僕とヒバリさんの手に寄りかかって眠っている。起こさないように慎重に手を引き抜いて、ゆっくり起き上がった。
やけにスッキリしている頭に、やっぱり睡眠って重要なんだなぁと思っていると、パシッと手首を掴まれる。驚いて肩が揺れた。目を向ければ、ヒバリさんがむすっとしている。
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
