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その日の夜、焚き火を囲んだ山本武たちは情報交換をしていた。今までの戦歴や、どういう条件で勝敗が決まるか。
それから、山本武の重傷を治してくれたのは誰かという話になって、彼はなんてことないように白蘭だと言い放つ。
「え！！白蘭！？」
「ああ、そうだ。このキズはあいつが治してくれたんだ。多分パラレルワールドで得た知識ってやつでな」
その答えで、僕の予想が合っていたことを知る。まあ、それしかないよねぇと頬杖をついたところで、沢田綱吉がギャーギャーと喚いた。せっかくユニが戻してくれた世界がって。
「今は24時間ボンゴレが監視してるんだが、行動的にも思想的にも危険性は0だってよ」
「危険性……」
「0だと！？」
「オレも意識が戻ってから話を聞いてびっくりしてさ。気になってガラス越しにそいつを見たんだが。白蘭に違いないって思ったが、なんつーかすがすがしい顔しててさ」
山本武はニカッと笑って、あれなら大丈夫だと言う。説得力はないけど、まあ、そういうことなら大丈夫なんだろうね。山本武は天然だけど、人を見る目はあると思うんだ。
第六感っていうんだっけ、野生の勘みたいなの発達してそうだし。
くありと欠伸をして、焚き火から離れる。暖かいとすぐ眠くなっちゃうんだよね。僕は眠る気なんてないし。
騒がしくなった後ろを無視して、声が届く距離まで離れたところで座り込む。片膝を立ててすぐ動けるような体勢を整えると、腕に顔を埋めた。
朝になるまであと10時間ほど。寝ないけど、体は休めておかないと。ずっと気を張ってると、疲れるし。
そう思ったところで、パタパタと小さく羽ばたく音が聞こえた。目を向けると、今にも寝落ちそうなヒバードが弱々しく僕の方へ飛んできている。何を思ったか、ロールもぽてぽてと音が鳴りそうなほど、ゆっくり歩いてきていた。
ヒバリさんのところで寝てたんじゃないの？
ヒバードは限界だったのか、ロールの上に降りて楽をしようとしているし。それでロールが怒ってる。あー、もう……。
渋々腰を上げて、2匹を抱き上げた。腕の中で鳴き声を上げる2匹は眠たそうなのに、嬉しそうで。
「ヒバリさんのところで大人しく寝ていなよ」
「ピィ……A、オヤスミ？」
「僕は寝ないけど」
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
